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2020 年度 実施状況報告書

確率微分方程式モデルの正則化逐次推定手法の考案およびその実装

研究課題

研究課題/領域番号 18K18012
研究機関城西大学

研究代表者

清水 優祐  城西大学, 理学部, 助教 (80805218)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード確率微分方程式 / 逐次推定
研究実績の概要

本研究は、大規模高頻度データ確率微分方程式(SDE)モデルの正則化逐次推定量を構成し、その漸近挙動の解明と計算機上での実装が目標である。また、確率近似法の一応用として長年に亘って発展してきている逐次推定論と、数理統計学の長い歴史から見ると比較的新しい分野である正則化推定論および、確率過程論とを相互にリンクさせる研究である。
本年は、これまでに調査した文献資料を元として、数値実験を中心に研究活動を行った。その結果、拡散パラメータについては、初期値の取り方によらず、更新のたびに推定値が真値に収束していく様子が見られた。これについては、ドリフトパラメータを含む場合へと拡張し、数値実験結果を学術論文に投稿する予定である。また、パラメータの次元を大きくするなどし、複雑なモデルに対して同様の数値実験を行い、引き続き考察を重ねていく予定である。
さらなる応用先として、本研究課題は、感染症の数理モデルとして適用できると考えられる。例えば、SIRモデルやSEIRモデルは、感染症の短期的な流行を決定論的に記述した微分方程式系であるが、現実の感染拡大の様相は偶発的であり、人口のダイナミクスをより 精度よく捉えるためには、ランダムな変動をモデルに取り込んだ確率微分方程式を考える必要がある。そこで、本研究課題で考案する手法を新型コロナウイルスの実データに対して適用し、感染率や回復率といったパラメータの正則化逐次推定量を構成し、社会経済的な戦略研究において、合理的な対策を立案するために不可欠な意思決定の枠組みを提供していきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルスの影響で学会や研究集会が中止となり、本研究課題に関連した最先端の研究の動向を得ることができなかったことが影響していると思われる。しかしながら、数値実験を通して既存の手法がSDEへ応用できることが判明し、新たな知見が得られた。総合的にはやや遅れているといえるが、計画を微修正することで対応可能であると考えられる。

今後の研究の推進方策

現在までに行った数値実験結果を、学術論文として投稿する予定である。また、推定量の漸近正規性やモーメントの収束などの理論を構築し、研究のさらなる発展を目指す。拡散パラメータとドリフトパラメータを含む、より複雑なSDEモデルに対して、段階的な推定の考案も予定している。ベイズ推定を用いたロバスト性を持つ時系列解析への応用や、新型コロナウイルスの実データも扱っていく。

次年度使用額が生じた理由

当初は国際会議への参加と講演を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で開催が中止となり、その結果、主に旅費の面で差額が生じた。今後も海外渡航は難しいことが想定されるため、差額は物品費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 確率微分方程式モデルの推定手法について2020

    • 著者名/発表者名
      清水優祐
    • 学会等名
      第2回統計科学セミナー
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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