研究課題
現代社会において、新たなサービスや知識の創出等を行う上で、その大部分をスーパーコンピュータから組み込みシステムに至る計算機システムに委ねており、その高性能化・高効率化は必要不可欠である。本研究では、特にスーパーコンピュータ等のHPCシステムに焦点を当て、その中でも特に、性能・容量等特性の異なるメモリデバイスを組み合わせた、ハイブリッド型のメインメモリを搭載する物を対象とし、そのデータ転送や電力制御を最適化することで、高性能化・省電力化を行った。まず、前者については、Pattern-aware Stagingと呼ぶデータ転送最適化手法を提案した。具体的には、あらゆるメモリの実効バンド幅は、その上でのアクセスパターンの影響を強く受けるという、メモリアーキテクチャにおける普遍的特性に着目しており、これを各データチャンクのメモリ間転送に関する意思決定に利用している。これを実現するために、Helper Thread Prefetchingを応用した実行時アドレスサンプリング手法及びBloom Filterを用いたアクセスパターン認識手法等を新たに提案している。本研究成果をまとめた論文は、HPC分野で著名な国際会議であるISC HPC 2020に採択されており、2020年度は国際会議での発表及びアウトリーチ活動を行った。後者の電力制御については、CPU、高速メモリ、大容量メモリへの電力割り当てを、アプリケーションの特性、問題サイズ、ノードの電力制約に応じて最適化するというものであり、これを行うための、問題の定式化、Footprint-aware Power Cappingと呼ぶ新概念の導出、性能モデリング、効率的係数調整手法、割り当てアルゴリズム、及びソフトウェアフレームワークの提案等を行った。本研究成果も同様に国際会議ISC HPC 2020にて論文が採択されており、同様に2020年度は、国際会議での発表及びアウトリーチ活動を行った。
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2020 23rd Euromicro Conference on Digital System Design (DSD)
巻: - ページ: 101-108
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High Performance Computing: 35th International Conference, ISC High Performance 2020
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10.1007/978-3-030-50743-5_18
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10.1007/978-3-030-50743-5_24