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2018 年度 実施状況報告書

DDoS緩和技術のためのACLルール数の大規模化

研究課題

研究課題/領域番号 18K18043
研究機関東京大学

研究代表者

空閑 洋平  東京大学, 情報基盤センター, 特任講師 (90816597)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードDDoS緩和 / ACL / FPGA / ページテーブル
研究実績の概要

データセンタにおけるDDoS対策には,柔軟かつ大量のフィルタルールを記述可能なソフトウェアによる対策と,フィルタルールが比較的単純だが高帯域なトラフィックに対応できるハードウェアによる対策の両方による緩和技術が必要となる.本研究では,ソフトウェアによる柔軟なフィルタルールを展開可能なハードウェアDDoS緩和アーキテクチャを検討するために,NIC型デバイスがサーバメインメモリにDMAしてフィルタルールを展開する方法を検討した.
NIC型デバイスによるDMAを用いたメインメモリの操作は,NICに搭載可能なメモリ容量を操作することに比べて,より広大なメモリ空間が利用できることが利点だが,フィルタルールを保持するためのデータ構造が課題になる.そこで,本研究ではCPUとOSのメモリ管理を参考に,IPv4アドレスを32bitのメモリアドレスに見立て,IPv4アドレスをキーにしたページテーブルを用いたACLフィルタルールの保持手法を提案した.本提案手法は,ネットワーク上のインラインで動作し,入力されたトラフィックのパケットごとにフィルタルールを検索し,出力アクションを決定するオンライン処理を行う.ソフトウェアによるシミュレーション実装により,2段ページテーブル構造で8GBのサーバ上のメインメモリで655KエントリのACLルールが保持可能なことを確認した.本成果によって,IPv4アドレスをキーにした大規模ACLルール保持のためのデータ構造,そしてページテーブルによる保持が必要ないルールに関するメモリ空間の節約が可能になる.この結果については.電子情報通信学会インターネットアーキテクチャ研究会で発表した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本提案アーキテクチャの評価には,PCIeデバイスを用いたDMAアクセスによるホストメモリの読み書き機能が必要になる.本手法には,PCIeアクセス遅延とDRAMアクセス遅延両方を考慮したハードウェアパイプラインを検討する必要があるが,プロトタイプ実装の性能チューニングが難しく,進捗が予定より遅れている.

今後の研究の推進方策

ハードウェアによるDDoS緩和アーキテクチャに関連して,効率の良いPCIe通信を行うためのPCIeパケット観察と生成環境が必要だと考え,システムの実装を行っている.
こちらについてはすでにアーキテクチャ検討,プロトタイプ実装が完了しているため,本成果は,今年7月の国内研究会での発表と9月の国際会議への投稿を予定している.

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた実験物品が販売終了したため,値段が安い別製品を購入したこと,また,学術向けの購入額になったため,当初の予定より機材購入費が減少した.次年度の使用計画については,システムの大規模評価実験用の機材購入と会議参加費用に利用する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] DDoS緩和のための全IPv4空間を対象としたACLアーキテクチャの検討2018

    • 著者名/発表者名
      空閑洋平
    • 学会等名
      電子情報通信学会 インターネットアーキテクチャ研究会

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公開日: 2019-12-27  

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