研究課題
本年度は,データの不完全性と教示データの不足,に対処するための地球観測データ解析技術の開発に取り組み,以下4つの項目を実現した.1)土地被覆ラベルと標高モデルを用いた光学・SAR画像合成:土地被覆分類マップとデジタル標高モデルから光学画像やSAR画像を合成する技術を開発した.離散的なラベル情報と連続的な標高データを補完的に融合する敵対的生成ネットワークモデルを構築し,これまでにない現実的なリモートセンシング画像を合成することに成功した.2)教示データ不要な深層画像融合:深層畳み込みニューラルネットワークの構造特性を活用した,教示データ不要な深層画像融合手法を提案した.ハイパースペクトル超解像やパンシャープニングなど,これまでは個別に取り扱われていた不完全データ復元のための画像融合問題を統一的に扱うことを可能とするとともに,最先端の画像再構成精度を達成した.3)異種センサを用いた建物被害分類:被災前後の2時期画像が,異なる種類のセンサ(光学とSAR)で得られる場合でも,建物被害の度合いを認識可能な分類モデルを開発した.過去の様々な災害について,被災前後の光学・SAR画像と建物被害のラベルデータを世界で初めて整備し,被災前後の画像の種類が異なる場合でも,建物被害を3段階で分類することが可能であることを明らかにした.4)合成データを活用した3次元変化検出:教示データの取得が困難な災害直後の地表の3次元変化を,地球観測画像から瞬時に推定する技術を世界に先駆けて開発した.数値シミュレーションにより教示データを合成し,地球観測画像から得られる2値変化情報から3次元変化を逆推定する深層学習モデルを構築した.水害時の最大浸水深や土砂災害時の地形変化の迅速な把握を実現した.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
IEEE Transactions on Geoscience and Remote Sensing
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