本年度は,4D Visual SLAMの基礎となる変化検出手法を2つ開発した.一つ目は,ポジティブサンプルが得られにくい場合に、Variational Autoencoder (VAE)を用いて大量のネガティブサンプルから表現学習する事で、興味外の変化にロバストな特徴を獲得できる手法を提案した.変化検出の学習ではポジティブサンプルを集めることが難しいため,本提案手法により,変化検出データセット構築のコストを大幅に下げることが可能となった.さらに,本提案手法は変化検出だけでなく,異常検知のようなポジティブサンプルの収集が難しい他のタスクにも応用可能である.
2つ目は,変化検出と分類を同時に行うことが可能なSemantic Change Detection手法である.自動運転やARのマップを更新するためには,興味のある変化か否かを区別する必要がある.しかし,大規模なSemantic Change Detection学習データを構築することは困難であるため,これまでにそのような手法は実現されていなかった.そこで,本研究では,一般的な二値の変化検出データセットと,セマンティックセグメンテーションデータセットを利用してSemantic Change Detectionを実現する弱教師学習手法を開発した.
両研究とも成果を論文にまとめ,1つ目の手法はコンピュタービジョン系のトップカンファレンスの一つであるIEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR) 2019に採択され,2つ目の手法も国際会議に論文投稿中である.
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