研究課題
本研究の目的は三次元脳MR画像の高画質・高解像度化である。本研究の課題は撮像時間の制限から十分な解像度が得られない点である。この問題は医用画像解析の前処理として行われる位置合わせや領域抽出の精度に影響を与えるため、高精度に高解像度化を行う技術は有用である。MR画像では撮像パラメータの組み合わせにより複数種類の画像を取得することができる。しかし、画像によって解像度が異なる場合が存在する。そこで、本研究では高解像度で取得可能な画像を用いて、低解像度の画像を高解像度化する手法を提案する。今年度の成果として、昨年度開発したガイドあり教師なし深層学習による超解像手法に対し、新たに複数のデータに対して実験を行い、より詳細に提案手法の有効性を検証した。また、新たに三次元医用画像の超解像手法として、高効率・高精度な深層学習による超解像技術手法を提案した。提案手法では、三次元畳み込みカーネルを一次元畳み込みカーネルに分解することで、パラメータ数を大幅に削減した。加えて、精度を向上させるためにグループ畳み込みと特徴集約を組み合わせたParallelNetと呼ばれる構造を新たに提案した。三次元MR画像と三次元CT画像を用いた実験結果から提案手法の有効性を確認した。本手法の成果は世界的に著名な学術雑誌であるIEEE Transactions on Image Processingに採択され高く評価された。一方で当初計画していた超解像技術を用いたセグメンテーション精度の改善及び異常症例に対する有効性の検証は十分に実施できなかった。今後は超解像技術の応用先として有力であるセグメンテーション精度の改善等、超解像技術の有用性を示す研究展開も検討する。
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IEEE Transactions on Image Processing
巻: 30 ページ: 4840-4854
10.1109/TIP.2021.3076285