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2021 年度 実施状況報告書

確率勾配変分ベイズ法を用いた時系列モデリング

研究課題

研究課題/領域番号 18K18117
研究機関東洋大学

研究代表者

佐野 崇  東洋大学, 情報連携学部, 講師 (00710295)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード確率勾配変分ベイズ法 / 時系列データ / 畳み込みニューラルネットワーク / ベイジアンネットワーク / 確率的グラフィカルモデル
研究実績の概要

確率勾配変分ベイズ法を用いた研究を続行した。運動制御に向けた時系列学習として、物理系の最も単純な場合として、1次元に拘束された質点が、単振動を行うシミュレーションを行い、データの生成を行った。この物理系の状態の時間変化は、2次元のグラフに表すことができる。これを2次元の畳み込みニューラルネットワークを用いて、変分オートエンコーダ型の教師なし学習を行うことで、ダイナミクスの学習が可能であるか評価を行った。様々な初期条件から状態の系列を作成し、6000枚のグラフを入力データとして、学習を行ったところ、十分学習が進めば、モデルは定性的に正しく軌道の予測ができることがわかった。このことは、畳み込みニューラルネットワークによる物理ダイナミクスの学習が可能であることを示しており、それを利用した運動制御の可能性を示唆している。

畳み込みニューラルネットワークと変分ベイズ型の学習法の別の応用として、noisy-ORベイジアンネットワークの新しい学習方法を開発した。この方法では、ベイジアンネットワークの離散確率変数に対応するため、Neural Variational Inference and Learning (NVIL)という手法を応用した。新しく開発した手法では、畳み込みニューラルネットワークによって推論ネットワークを構築する。この方法によって、手書き数字が扱えるほど大規模なベイジアンネットワークの学習が可能であることがわかった。また、手書き数字の1部分が基本的な表現として学習され、理解しやすい表現の獲得が可能であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍における大学運営業務の分量は増加したが、おおむね想定通りであり、研究も実行できた。

今後の研究の推進方策

本研究では、畳み込みニューラルネットワークを用いたダイナミクスの学習の可能性を見出すことができたが、対象としている物理系はまだ単純であるため、より複雑な系での検証が必要である。また、運動制御へとつなげるためには、系に加わる外力が、どのように系に変化を与えるかを知らなければならない。そのための物理系のセットアップと、データの準備方法が今後の課題である。さらに、今回は変分オートエンコーダ型の学習を行ったが、NVIL型など、他の学習手法との比較評価も課題である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍において十分な学会活動ができなかったため、繰り越し分は、主に参加を見送った学会参加費として使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] A noniterative solution to the inverse Ising problem using a convex upper bound on the partition function2022

    • 著者名/発表者名
      Takashi Sano
    • 雑誌名

      Journal of Statistical Mechanics: Theory and Experiment

      巻: 2022 ページ: 023406-023406

    • DOI

      10.1088/1742-5468/ac50b1

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Stochastic Neural Variational Learning of Noisy-OR Bayesian Networks for Images2021

    • 著者名/発表者名
      Takashi Sano, Yuuji Ichisugi
    • 雑誌名

      ICAAI 2021: 2021 The 5th International Conference on Advances in Artificial Intelligence (ICAAI)

      巻: November 2021 ページ: 72-76

    • DOI

      10.1145/3505711.3505721

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 汎用人工知能のためのプログラム合成対象言語 Pro5Lang の エピソード記憶機構2022

    • 著者名/発表者名
      一杉裕志, 中田秀基, 高橋直人, 竹内泉, 佐野崇
    • 学会等名
      人工知能学会 第20回汎用人工知能研究会
  • [学会発表] Stochastic Neural Variational Learning of Noisy-OR Bayesian Networks for Images2021

    • 著者名/発表者名
      Takashi Sano, Yuuji Ichisugi
    • 学会等名
      ICAAI 2021: 2021 The 5th International Conference on Advances in Artificial Intelligence (ICAAI)
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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