現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究計画の中心テーマと大きく関係する研究が18年に発表されたため、19年度に引き継ぎテーマを大幅に見直していることが進捗の遅れの主たる原因である。また不足していた基礎知識の習得に多くの時間を費やしたことも原因である。こちらに関してはニューラルネットワークの学習を考える上で近年再び注目されるカーネル法[1,2]の理論的な側面に関して知識を吸収すると共に、その理論的な基礎である関数解析などの数学分野の知識不足の解消に努めた。これらの知識面での準備は現状では成果に結びついていないものの、今後の研究を進める上では必要不可欠であると考えている。また研究実績で述べた通り応用研究へリソースを割いてしまったことも遅れの原因である。またこちらに関しては研究実績の概要で述べた事項以外に眼底写真を利用した疾病の検知へも新たに携わったが、こちらはまだ成果に結びついていない。但しこれらの応用研究を理論的な観点から捉え直せば、いずれもデータ数制限下でのニューラルネットワークの学習において汎化を達成することが目的であると言える。この問題はニューラルネットワークの学習理論における主な関心事項の一つであるため、これら応用研究で培った経験は、より理論的な研究へシフトする上で重要であると考えている。
[1] Jacot, Gabriel, Hongler. "Neural tangent kernel: Convergence and generalization in neural networks", Advances in neural information processing systems, 2018. [2] Steinwart and Christmann. "Support vector machines", Springer Science & Business Mbedia, 2008.
|