研究課題/領域番号 |
18K18137
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
濱田 健夫 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 助教 (20784680)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 社会的促進 / エクサゲーム / ジョギング |
研究実績の概要 |
移動の際には周囲の環境と調和した情報提示が重要であり,同行者/伴走者(パートナー)の存在は移動方向・速度の提示や動機付けの手段として有用であるが,その見た目や振る舞いがユーザのパフォーマンスにどのように影響を与えるかは明らかになっていない.本研究では,共に移動するパートナーを視覚的に提示することが方角および速度の提示に有効と考え,拡張現実感によるバーチャルなパートナーの提示が歩行およびジョギングの行動変容を促進する,という仮説を検証することを目的とする .このパートナーの見た目がランナーの体験にどのように影響を与えるか実験を行なった.被験者はジョギングでグラウンドを繰り返し周回しながら、スマートグラスに表示されたパートナーを観察した.視覚刺激は走る動きをする男性キャラクタ(全身表示条件),走る動きをするキャラクタの手足のみを表示したもの(手足のみ表示条件)、何も表示しない(非表示条件)、の三条件で比較実験を行った.その結果、非表示条件に対して全身表示条件および手足のみ表示条件の場合に主観的な負荷指数が低くなる傾向が観察された.また被験者によってはキャラクタのケーデンスに合わせるように走ってしまったり、常に視野の中央に表示されるキャラクタを実世界で接地して走っているかのように頭部姿勢を変更したりすることがインタビューによって報告された. これらの結果は屋外のジョギングにおいてもバーチャルパートナーの存在によって、パフォーマンスの変容を促すことを示唆した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
屋外のジョギングで利用できるバーチャルパートナーの表示方法を開発した.それに基づき,ジョギングの体験の変化を検証する実験を行ない,妥当性の高い結果を得た.
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今後の研究の推進方策 |
初年度に引き続き,バーチャルパートナーの見た目や振る舞いがジョギング体験に与える影響を検証する.特に新規性効果(Novelty effect)を排除し,スマートグラスだけでなくスマートウォッチなどのデバイスも比較条件に取り入れ,実験を行う.またこれらで得られた成果を国内外の学術会議や学術論文誌にて発表する.
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次年度使用額が生じた理由 |
ジョギング時のパフォーマンスを詳細に計測するためのモーションキャプチャシステムを購入予定だったが,そのシステムを用いた実験の実施を次年度以降にシフトしたことにより,未だ購入していないため。 次年度は実験被験者への謝金、国際会議参加や学術論文誌への投稿経費、モーションキャプチャやヘッドマウントディスプレイの購入などのために使用する。
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