本研究は拡張現実感によるバーチャルなパートナーの提示がジョギングの行動変容を促進するかを検証するものであった。バーチャルパートナーを見ながらのジョギング体験は、実際に人間と走る場合と同様に動機づけを高める傾向にあることがわかった。中でも見た目の可視性を点光源(主要な関節の動きのみを白球で表現)や手足アバター(手足以外の部位を透明で表現)に下げても、同様の動機づけ向上の効果が望める点は、安全確保のために周囲に注意を払う必要のある屋外の移動を伴うアクティビティのアバターデザインに必須の条件と考えられる。一方で人間が走る場合ほどパートナーのケーデンス(ピッチ)に近づくことはなかった。
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