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2020 年度 実施状況報告書

がんのエコシステム攻略に向けたブール関数上における統計的モデリング手法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 18K18151
研究機関名古屋大学

研究代表者

松井 佑介  名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (90761495)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードがんの進化 / 多領域シークエンシグ / プロテオゲノム解析 / タンパク質複合体
研究実績の概要

従来の統計的機械学習に基づくアプローチの特徴は網羅性であり、ベイジアンネットワーク推定やスパースモデリングの基づく薬剤スクリーニングのように遺伝子の網羅的関係性や候補遺伝子の網羅的同定に有用であったが、近年課題となっているがん細胞集団が織りなす超複雑なエコシステムの描出とフェノームとの関連性解析においては、がん進化における遺伝子変異間の因果性や、薬剤スクリーニングにおけるシナジー効果を生み出す標的遺伝子相互作用の同定など、精緻性が重要であり、これまでの網羅性に立脚した従来アプローチではモデリングが困難である。さらに、生物学的な検証可能性を考慮すると、検証に膨大な時間を要する従来型の大規模モデリングから即時的な検証が可能な小規模精緻モデリングを新たに開拓していく必要がある。
本年度は、昨年度開発した、多部位からのがんプロファイルを用いて、部位間で共通性、特異性をブール関数上で同定する方法論の開発を行い、共同研究を通じた応用を行った(論文投稿中)。また、がん特異的なタンパク質複合体を、膨大なタンパク質間における相互作用ネットワークとがん特異的な共発現構造を統合・学習させ、同定するためのアルゴリズムを開発し、腎癌の大規模プロテオームデータを用いて、最終的に異常タンパク質複合体を同定する方法として提案した(論文投稿中)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね計画通りに研究が進んでおり、それに関連した成果も着実に出ている。

今後の研究の推進方策

次年度は、がん種をさらに広げ横断的に解析し、実データを用いて手法の改善・検証を進めるとともに、近年研究が進んでいるプロテオゲノム解析への応用を進め、変異とタンパク質発現の関係性をモデル化する方法論としても発展させていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の影響により研究計画に遅れが出て、次年度繰越が必要になっため。主に成果発表のための学会参加費と論文投稿費に使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Meta-analysis and multi-omics to elucidate pathogenic mechanisms of age-related knee osteoarthritis2021

    • 著者名/発表者名
      Iijima Hirotaka、Gilmer Gabrielle、Wang Kai、Sivakumar Sruthi、Evans Christopher、Matsui Yusuke、Ambrosio Fabrisia
    • 雑誌名

      bioRxive

      巻: 0 ページ: 0-0

    • DOI

      10.1101/2021.05.06.442993

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] RoDiCE: Robust differential protein co-expression analysis for cancer complexome2020

    • 著者名/発表者名
      Matsui Yusuke、Abe Yuichi、Uno Kohei、Miyano Satoru
    • 雑誌名

      bioRxive

      巻: 0 ページ: 0-0

    • DOI

      10.1101/2020.12.22.423973

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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