研究課題
本研究では,推薦理由の説明機能を有するモデルベース協調フィルタリングを回帰分析により実現することを目指している.これまでの研究では,ユーザとアイテムを同時に1つの線形回帰式で扱い回帰係数の提示により推薦理由の説明が可能なモデルを提案しており,Factorization Machinesと比較し,提案法が同程度の推薦精度を有し25倍以上高速に学習できることを検証している.加えて,ユーザとアイテムの交互作用を追加したモデルも提案している.これらの結果から,協調フィルタリングにおいて,線形回帰モデルで高速かつ十分な精度の推薦が行えることを明らかにしている.さらに,このことは他の複雑な推薦モデルをLocal Interpretable Model-Agnostic Explanationsのような線形回帰に基づく説明モデルで十分な精度を有したまま近似できる可能性を示唆している.最終年度では,これまでの研究成果をセッション(時系列)データに展開することを見据え,セッションベース推薦システムに関する研究に取り組んでいる.ユーザやアイテム,セッションの分散表現に関して検討し,新たな分散表現法の提案を行っている.具体的には,Word2Vecを使用したアイテムの分散表現の階層化・集約によりセッションとユーザの分散表現を逐次的に更新する手法である.3種類のデータセットとk近傍法による推薦実験から,GRU4Recと同程度の推薦精度を有し数100倍高速に学習できることを検証している.年度末には,その成果をまとめ国際学術論文誌に論文投稿している.提案する分散表現法と線形回帰モデルを組み合わせることで,推薦理由の説明機能を有したセッションベース推薦システムへの研究発展が期待できることから,本研究課題終了後も継続して研究を進める計画である.
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
Proceedings of 26th International Conference on Production Research
巻: 0093 ページ: 1-6
Proceedings of 7th International Workshop on Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics
巻: M2-3-4 ページ: 1-5