本研究では、1)オンライン教員研修のカリキュラムをデザインとは何か、2)小学校教員の外国語活動・外国語についての基礎知識や指導法を知っているか、3)オンライン教員研修に参加する教員間に探求共同体は成立するか、4)オンライン研修で基礎知識や指導法を習得することができるか、を明らかにするため、効果的な研修デザインであるADDIEモデルに沿って本研究をデザインした。
平成30年度は、第一ステージのA (Analyze)分析で、①東紀州地域の小学校を訪問して小学校・児童・教員の実態をアンケートや質問紙を用いて調査し、②カリキュラム・デザインをするため児童英語の指導に定評があるMPI研究所の研修を受けた。さらに第二ステージである D (Design)デザインでは、小学校・児童・教員の実態に適したオンライン教員研修のカリキュラムのデザインを開始した。 令和元年度は、引き続きA (Analyze)、D (Design)を行うとともに、第三ステージD (Development)開発では、オンラインコースを準備した。
最終年度の令和2年度は、第四ステージI (Implementation)実施を行った。コロナ感染症が蔓延した影響で全国的に夏季休業期間が短縮されたため、夏季休業中に実施されたオンライン教員研修の参加希望者が非常に少なく10名程度にとどまった。参加者は3~4人グループになり、一日30分程度の研修を8日間程度受講した。配付された教材を使って予習(自立学習)をした後、グループメンバーとズームを使って活動(例:指導のデモンストレーション等)をした。研修後に第五ステージであるE(Evaluation)評価を行った。オンライン研修の様子や、毎日のジャーナル(学習のあしあと)を質的に分析した結果、学習者は基礎知識や指導法を確実に身に付けることができたと考えられた。
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