研究課題/領域番号 |
18K18180
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
井上 誠 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (00599095)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 二酸化炭素 / ドローン / 鉛直分布 / 非分散型赤外(NDIR)分析計 / 温室効果ガス / 水平分布 / 観測手法 |
研究実績の概要 |
本研究では、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度を観測するためのドローンを開発し、秋田県大潟村上空においてCO2の鉛直・水平分布観測を実施した。約1年間の飛行観測結果をまとめ、夏季には上空よりも地上でCO2濃度が低く、それ以外の季節では濃度の鉛直勾配が小さくなる傾向であることが明らかになった。そのようなCO2濃度の鉛直分布の季節性には、地上の植生分布が深く関わっていることが示唆された。また、大潟村上空でドローンによる水平観測も実施してCO2濃度の水平分布データと気象データの解析を行い、各観測日におけるCO2濃度分布の形成要因を調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
二酸化炭素を観測するためのドローンシステムを秋田県立大学で開発し、秋田県大潟村上空においてドローンによる飛行観測を行った。1年以上のCO2濃度の鉛直プロファイルデータを取得して濃度の季節変動特性を明らかにした。これらの内容の査読付き原著論文を2本、および査読付きプロシーディングス1本を投稿し、さらにテレビ(AKT秋田テレビ)やラジオ(ABS秋田放送)、多くの新聞(秋田魁新報、北羽新報、毎日新聞、日本経済新聞、朝日新聞、日経産業新聞)で本研究内容が報道されたことから、当初の計画通りに研究が進んでいると言える。
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今後の研究の推進方策 |
ドローンによって得られるCO2濃度データにどの程度の不確かさがあるのかを調べる。複数台のドローンを用いて、秋田県内における数か所の上空で同時観測を行う。さらに、ドローンによる水平分方向の観測も実施し、CO2濃度分布の詳細な構造を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、購入予定であった物品の調達が難しくなったため。ドローンのバッテリーやプロペラキッドなどを購入予定である。
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