妊娠期における放射線被曝影響は、胎芽・胎児の発育期によって著しく異なることが明らかにされているが、妊娠期における低線量放射線が与える影響に関しては未だ不明な点が多い。本研究によって、マウス受精卵は媒精後5時間の段階で放射線の影響を最も受けることを確認し、線量の違いによって発生停止段階が異なることも確認した。これらのことはヒト受精卵においても同様に放射線の影響を受ける事が予想される。 また、受精卵への影響の分子機構を調べるために遺伝子解析も行うことで受精卵の発生停止に影響する候補のひとつとしてTrim43遺伝子群を見出し、今後詳細な解析を進めるつもりである。
|