本研究では、放射線被ばく後の組織内微小環境の発がん感受性に関わる分子メカニズムを、胸腺リンパ腫好発系であるC57BL/6N系統と抵抗性であるC3H/HeN系統を用いて明らかにすることを目的とした。放射線照射後の2系統間の経時的な組織応答の違いの検出を試みたところ、胸腺は、C57BL/6N系統では、C3H/HeN系統に比べ、劇的な重量の増加を示した。脾臓は、萎縮後、C57BL/6N系統では劇的に重量が回復したのに対し、C3H/HeN系統では緩やかに回復した。これらの照射後の組織応答の違いは、がんの起源細胞を取り巻く組織内微小環境が、発がん感受性の違いと関連して大きく異なる可能性を示唆する。
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