研究課題/領域番号 |
18K18223
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
坂田 ゆず 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (50779759)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 植物ー昆虫相互作用 / 外来植物 / 見かけの競争 |
研究実績の概要 |
本研究では、セイタカアワダチソウとセイタカアワダチソウと同所的に生育する在来キク科植物を材料に用いて、セイタカアワダチソウが植食者を介して在来 キク科植物に与える影響が、1) 原産地(北米)と侵入地(日本)で異なるか、2) 外来植食者のアワダチソウグンバイの分布の有無でどのように異なるかを明ら かにすることを目的とした。北米と日本において、それぞれアワダチソウグンバイの分布の有無が異なる2箇所の圃場を用いて、在来植物のみの単植の場合とセ イタカと混植した場合とで、食害量と植物の成長・繁殖形質を比較した。 日本では、セイタカアワダチソウと混植した場合に在来植物上のアワダチソウグンバイによる食害が増加し、植食者を介した見かけの競争が検出された。2年目には、アワダチソウグンバイの未分布地においてもセイタカアワダチソウと混植した場合に在来植物上の食害が増加し、植食者を介した見かけの競争が検出された。また、セイタカアワダチソウと混植した場合に在来植物の葉数増加率や花数が減少し、さらにアワダチソウグンバイの分布地では花数の減少の程度が強まっていた。一方で、北米では、セイタカアワダチソウとの混植によって、食害の増減は見られたものの、植物の成長および繁殖形質に違いは見られなかった。 これらのことから、侵入地においてセイタカアワダチソウは在来植物の繁殖に対して直接的な競争による負の影響に加えて、外来植食者と在来植食者の食害を介した見かけの競争による負の影響が見られることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた実験設備を日米の圃場において設置し、圃場実験と室内での昆虫の飼育実験は予定どおりすすめている。日米において、2年分の圃場での植物の食害、成長、繁殖と昆虫に関するデータが得られた。予想外の結果もあったが、日本と北米で植物間の直接的な競争の影響が異なるという興味深い結果が得られた。 得られた結果の一部について国際誌で発表を行ったほか、2度の学会発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後、昆虫の嗜好性を調べるために、北米と日本でそれぞれ追加の実験を行う予定である。また、植物の更新についても圃場において引き続き調査を行う。さらに、野外において、圃場実験では対象としていない植物種についても追加で食害の調査を行う予定である。 得られたデータを解析し、日米間と圃場間で植物間の見かけの競争を評価する。得られた結果から、論文の執筆を行い成果を発表する予定である。
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備考 |
researchmap https://researchmap.jp/sakata/
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