1.東条川疏水ネットワーク博物館事業 2021年度に実施した、疏水をテーマとしたフォトコンテスト来場者290名への質問紙調査結果を分析した。当地域では、10年にわたって事業を実施してきたが、フォトコンテストに来場した20-50代の年齢層においては、いまだ知名度が低いこと、疏水からの受益について理解はしていても、疏水に対する愛着は低いことがわかった。また、多くの地域住民が水路の維持作業に関して「楽しめる」行事を求めており、創造的な活動を好む層も存在し、多くの住民が写真を見ることや撮影することは創造的であるととらえていた。寛容性については、異性の意見については受け入れる程度が高かったが、年齢が異なる人の意見や意見が異なる人との共同作業については、受け入れの程度がやや下がった。 2.石垣島ゆがふ国際映画祭 2021年に開催された、映画祭の参加者70名に対する質問紙調査結果を分析した。結果、参加者は普段から芸術活動に触れる機会が多い一方で、創造的な活動に参加する回数が低い(半年に1回)ことがわかり、映画祭が創造的活動の機会として貢献できる可能性が示された。また、映画祭がテーマとしていた「女性たち、母親たちの未来」というテーマに対して新たな発見を得たという回答と、新たな価値観の発見が得られた回答との相関が高く、映画祭が多様性についてあらたな価値観を提案する機会となったことを示した。 3.とよなか地域創生塾 2017年から2021年にかけて4期実施された、創造的人材の育成事業の参加者70名に対する質問紙調査の結果を分析した。結果、1年間のプログラムへの参加を通して豊中市への愛着が高まり、さらに社会関係資本因子(住んでいる地域への愛着や交流)が高まったことがわかった。また、プログラム参加終了時には、これらの社会関係資本因子が、地域活動への参加意欲、生活満足度を高めることがわかった。
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