研究課題/領域番号 |
18K18235
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
大田 真彦 九州工業大学, 教養教育院, 准教授 (80752279)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | エリートキャプチャー / コミュニティ林業 / 利益配分 |
研究実績の概要 |
インドネシアのガジャマダ大学と共同研究を行い、ジョグジャカルタ特別州グヌンキドゥル県で村落調査を行った。研究代表者が2009年に実施したコミュニティ林プログラムが、約10年を経て、どのような状況になっているかの分析を、エリートキャプチャーの観点から実施した。 調査村落のコミュニティ林プログラムにおいては、プログラム実施前に農民たちが農業に使用していた国有林地に、各世帯がチークを植林し、徐々に農地を森林に戻していくという形をとっていた。調査世帯の保有プロットでは、生育状況の違いはあるが、ほとんどが成林していた。2022年時点で、植林地はいくつかの区画に分けられ、順次伐採が実施されていた。木材伐採からの収益は、各世帯の保有プロットから産出した木材から得られた金額に応じて配分されていた。配分された収益は、多い世帯でも数万円程度と、少ないものであった。伐採跡地にどのような樹木を植林するかについては未定であった。そもそも林業ではなく農業に供する方が良いという声が強いため、今後森林が維持されるかは不透明である。一部の村落有力者層が収益を特定の目的に使用して、関係者のみが利益を得るといった明示的なエリートキャプチャーの傾向は見られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
海外の現地調査を共同研究にて実施したが、COVID-19の影響により全体進行は遅れている。また、エリートキャプチャーの事例研究メタ分析も遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの状況を注視しながら、適宜補足調査を検討するとともに、全体の研究成果の取りまとめと論文投稿を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響による。感染状況に留意しつつ、現地調査など、適宜支出を行う。
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