• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

英統治下パレスチナでの宗教観の変容――汎イスラーム主義言説とフォークロアの比較

研究課題

研究課題/領域番号 18K18246
研究機関立命館大学

研究代表者

金城 美幸  立命館大学, 総合心理学部, 非常勤講師 (80632215)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードパレスチナ / 民衆文化 / ナクバ / イスラーム / ユダヤ教 / 民族運動
研究実績の概要

今年度の研究実績としては、昨年度に引き続き、パレスチナで汎イスラーム的言説が展開する舞台となったエルサレムという都市の周辺の村々において、イスラエル建国以前にどのような民衆の生活や宗教観があったのかについて焦点を当てて分析した。分析の焦点は、エルサレムから北西5キロメートルに位置するリフター村についての村落史である。
これまで行ってきたリフター村出身者への調査によって、リフター村についての村落史は5つ出版されていることが明らかになった。今年度はこれらの村落史の分析を通して、イスラエル建国前の村の宗教実践と、それが現在において再解釈されている在り様を分析した。
1920年代の都市エルサレムでの表舞台での汎イスラーム的言説では、キリスト教徒とムスリムの連帯は呼びかけられる一方、ユダヤ教徒のコミュニティとは分離が加速した。しかし、同時期の農村コミュニティでは、都市の言説に影響を受けつつも、ユダヤ教徒との生活の中での協同が実践されていた。また、こうした記憶は村落史の重要な構成要素として記録されている。
これらの分析を日本中東学会の年次大会や研究会等で口頭発表を行い、有益なフィードバックを得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

今年度は新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言により、家庭内にケアを要する者がいたため、研究が大幅に遅延した。

今後の研究の推進方策

研究期間を1年延長し、2021年度にリフター村と都市エルサレムにおける言説との差異についての研究成果をまとめる予定である。

次年度使用額が生じた理由

今年度はコロナウイルス感染拡大の影響で海外調査を行うことができなかった。2021年度も海外調査については明確な見通しが持てないため、現地の研究協力者を探し、インタビュー調査のコーディネートを依頼する予定である。未使用額は必要文献の収集・送付にあてる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] パンデミック下の日本から問う、パレスチナへの責任=応答可能性2020

    • 著者名/発表者名
      金城美幸
    • 雑誌名

      福音と世界

      巻: 2020年9月号 ページ: 30-25

  • [雑誌論文] 書評:鈴木啓之著『蜂起〈インティファーダ〉』2020

    • 著者名/発表者名
      金城美幸
    • 雑誌名

      ユダヤ・イスラエル研究

      巻: 第34号 ページ: 104-109

  • [学会発表] 被占領下のパレスチナ難民にとって「帰還」とは ―リフター村出身者の事例より2020

    • 著者名/発表者名
      金城美幸
    • 学会等名
      日本中東学会
  • [学会発表] パレスチナ難民が語る村落史からみた「故郷」 ――破壊されたリフター村出身者の事例より2020

    • 著者名/発表者名
      金城美幸
    • 学会等名
      「移動と共生ー移民・難民をめぐるグローバル・スタディーズ」研究会
  • [備考] Researchmap 金城美幸のページ

    • URL

      https://researchmap.jp/Miyuki_Kinjo

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi