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2020 年度 実施状況報告書

天然資源依存経済におけるマクロ経済と産業の推移に関する分析

研究課題

研究課題/領域番号 18K18248
研究機関東京外国語大学

研究代表者

中瀬 一恵 (出町一恵)  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (20709753)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード債務 / 金融制度 / サービス部門
研究実績の概要

本研究は,天然資源に経済を依存するアフリカ諸国において製造業や農業の発展を阻害する要因について考察し,天然資源輸出との関連性や近年の国際金融市場におけるアフリカ諸国政府の行動や各国の金融サービス部門の発展など,近年起きている新たな変化の影響を新たにすることを目的としている。

R2年度は前年度に引き続き,8月から9月にかけてアフリカのガーナ国において金融セクター,特に小規模な金融サービスの発展や整理に関する調査を行う予定であった。世界的な感染症拡大によりアフリカ諸国の経済状況も停滞を余儀なくされており,対外債務の返済状況が悪化し,債務の繰り延べがOECDによって再度決定される一方,資源価格の下落による政府収入の減少や新たな資源開発投資のキャンセルなど現地の経済への打撃となる大きな変化が生じており,本分析の重要性は増していると考えられる。しかし,これらの点については渡航・現地調査が叶わず,日本で可能な情報収集を行う以上に分析を深めることはできなかった。

他方で,昨年度までの現地調査からの分析課題としていた,アフリカ諸国における短期金融の増大と長期投資の欠如に関する考察を更に深めた。その際,日本の江戸時代までの歴史・制度分析や,日本およびアフリカ以外の発展途上国での土地の「質」入れに関する論文レビューを実施し,土地所有権制度を欠いた社会における投資や信用の発展可能性について,"The economy of pawning: Institutionalism revisited"としてまとめ,自身が所属する東京外国語大学の現代アフリカ地域研究センターのWorking Paper として発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

R2年度は前年からの分析課題である,サービス部門,特に金融セクター拡大の質・内実と所有権制度の有無に焦点を当てて研究を遂行した。ただし,新型コロナ感染症拡大のため予定していた現地調査・インタビューが実施できず,研究の進捗には遅れが生じている。本研究課題の問いは資源輸出依存であることによる国内経済への影響を明らかにすることであるが,感染症拡大による世界経済の停滞,それにともなう資源収入の減少,債務負担の増大という点で,現地の経済状況には大きな変化が生じている。現在は特に資源収入変化の状況と国内経済への影響,債務に関する国際金融市場および貸し手側(先進国政府および中国)の変化について,日本で可能な情報収集を行い考察を進めている。

今後の研究の推進方策

本研究は当初R2年度で終了の予定であったが,予定していた現地調査と課題分析を十分に行うことができなかったため,R3年度への研究期間延長を申請し許可されている。R3年度の8月から9月に現地調査が可能になる見通しは厳しいが,新型コロナ感染症拡大による影響にともなう経済状況の変化から生じる分析の軌道修正を行い,今後の新たな研究につなげるための情報整理と考察を深めていく。オンライン上で収集できる統計データや資料などに基づいて分析を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

感染症拡大のため予定していたアフリカへの渡航・現地調査が実施できなかったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] "The economy of pawning: Institutionalism revisited"2021

    • 著者名/発表者名
      Demachi, Kazue
    • 雑誌名

      ASC-TUFS Working Papers

      巻: Volume 1 ページ: 3-19

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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