研究課題/領域番号 |
18K18249
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
安岡 かがり (四方篝) 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 特定研究員 (80750421)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アフリカ / 熱帯雨林 / 焼畑 / アグロフォレストリー / NTFPs |
研究実績の概要 |
今年度前期は、文献研究と調査計画の検討を行うとともに、前年度のカメルーンでの現地調査の結果をもとに、シンポジウム「地域研究と持続可能な開発目標(SDGs)」、日本アフリカ学会、日本熱帯生態学会で発表した。発表では、近年、カメルーン東南部で新たな収入源として注目されている非木材林産物(NTFPs)生産のポテンシャルや流通の実態についての中間報告をおこなった。
2019年8月7-25日の間、カメルーン共和国・東部州の対象村落・都市においてNTFPs利用・流通にかんする継続調査をおこなった。くわえて、対象村において約15年前に植生調査をおこなった焼畑ならびにカカオ畑を踏査し、土地利用の変遷や植生変化についての観察・聞き取りを実施した。また、村人を対象に実施している調査票記録(農産物・NTFPs売買についての記録)の内容を確認し、引き続き記録を依頼した。
後期は、現地調査で収集したデータの整理・分析ならびに論文の執筆をすすめた。また、研究会「焼畑の現代的展開としてのアグロフォレストリー」を主催し、アフリカ・アジア・中南米におけるアグロフォレストリーを調査・研究している研究者とともに、焼畑とアグロフォレストリーの連続性や今後の研究の課題について議論をおこなった。さらに、研究会「カメルーン東南部の非木材林産物利用にみられる現代的展開」をSATREPSプロジェクトと共催し、調査地域におけるNTFPs利用の変化や、NTFPs販売の促進が地域住民の生業にどのような影響を及ぼしているのかについて議論をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
農産物・NTFPsの生産・流通の実態を把握するために、対象村の住民や商人を対象として調査票を用いたデータ収集を継続している。本年度中にデータをまとめ、論文として完成させる予定であったが、分析をすすめるなかで、年間をとおしたデータが必要であると判断し、現時点ではデータが十分ではないため、論文の完成に至らなかったから。 また、短期間の現地調査となったため、土地利用や生業活動の変化について十分な情報が得られなかったから。
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今後の研究の推進方策 |
農産物とNTFPs生産・流通の実態にかんする不足データを拡充して論文を完成させ、African Study Monograph誌にて発表する。 現地調査の期間が限られるので、調査票ベースのサーベイ調査を継続してデータの収集と分析をおこなうほか、アフリカ熱帯雨林や焼畑の生態史にかんする文献研究を中心に、研究を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究地域であるカメルーンへの渡航期間が限られていたこと、またデータ収集が不十分であり、分析補助者による作業を開始することができなかったことから、次年度使用額が生じた。 来年度の研究費は、(1)関連学会等参加のための旅費、研究会開催費、(2)調査・分析補助をおこなう方への謝金、(3)研究課題にかかわる図書、調査村周辺の衛星写真の購入、(4)論文の英文校閲費等にあてる予定である。
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