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2020 年度 実施状況報告書

東アフリカ農村地域における経済格差に注目した生存基盤の再考に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K18255
研究機関目白大学

研究代表者

泉 直亮  目白大学, 社会学部, 専任講師 (60749802)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード東アフリカ / 農村地域 / 経済格差 / 生存基盤 / 土地なし農民化
研究実績の概要

東アフリカ農村では伝統的に平等的な規範にもとづいて格差を是正し、経済的成長よりも生存維持を重視する社会が形成されてきた。しかし近年、新自由主義的思想にもとづいたグローバル市場の影響が、アフリカ諸国にも影響を与えている。それにともない、農村地域も急激に変容しており、経済格差の拡大が懸念されている。それにも関わらず当該地域を対象とした研究は、依然として地域住民を一様に「小農」とみなすか、あるいは小農のみを研究対象としてきた点で問題がある。本研究代表者は、東アフリカ農村におけるこれまでの調査から、近年になって企業家的な大規模生産をおこなう「豪農」の出現を明らかにしている。
本研究ではこのような研究を発展させ、経済的に裕福な富農に注目して東アフリカ農村社会をとらえなおし、経済格差の視点を組み込んで当該地域の生存基盤を再考する。2020年度は新型コロナウィルスの感染拡大にともない、予定していた現地調査を実施できなかった。そこで、2019年度までの現地調査で収集した資料に加えて、関連する文献資料の整理・分析を深めてきた。具体的には、農村地域の生存基盤を支える要素を精査しつつ、資料分析からその変容について検討してきた。多くの地域住民はトウモロコシやイネの栽培、ウシやヤギの牧畜を基盤として食料自給の面では生存基盤を確保していた。しかし、市場経済の浸透にともなって格差が拡大していることも確認されており、住民間での土地の売買も進んでいる。その結果、一部の住民が現金獲得に必要な農地を失っており、富裕層に雇われて生計を維持していた。このような農民の土地なし化、農業プロレタリアート化が進行していることが懸念される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルスの感染拡大にともない、2020年度に予定していた現地調査を実施できなかった。これまでの現地調査で得た資料の再解釈や文献資料等の情報を補足して対応したが、当初の計画よりもやや遅れていることは否めない。

今後の研究の推進方策

研究の遅れの要因が現地調査を実施できなかったことになるので、2021年度は可能な限り現地調査を実施して必要な資料を得ていく。また、これまでの調査から得られた資料の再解釈や文献資料等の情報を補足しつつ対応していく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスの感染拡大にともない、2020年度に予定していた現地調査を実施できず、次年度使用額が生じた。2021年度は、現地調査や関連資料の購入、成果出版などで使用するよう計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 農村地域における土地権の売買と格差の拡大:タンザニア南西部・ルクワ湖畔地域の事例から2021

    • 著者名/発表者名
      泉直亮
    • 学会等名
      生態人類学会
  • [学会発表] 東アフリカ牧畜社会における財の蓄積と家族:富豪世帯を形成する社会的なしくみとその意義2021

    • 著者名/発表者名
      泉直亮
    • 学会等名
      アフリカ農業革命研究会(研究代表者:鶴田 格)

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公開日: 2021-12-27  

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