近年、国際的に南海産品の需要が高まっており、ナマコ、ハタ類などの急速な枯渇が問題視されており、国際的な枠組みのもとで管理する必要性が議論されている。ところが、そこでは国家や国際機関によって「管理」することが前提となっており、生産/販売現場に関わる人びとの実情が把握されているとはいえない。そのような状況下で、南海産品を生産/販売する人々の視点を基点に置いて行う本研究は、現場に立脚した個別具体的な事実を明らかにするものである。その意味で、政治経済学的な政策に人類学的知見を提供するものであり、学術的にも社会的にも意義をもつといえる。
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