研究課題/領域番号 |
18K18262
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉山 隆一 東京大学, 東洋文化研究所, 特任研究員 (70788570)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | イラン / 聖地・聖廟 / シーア派 / マシュハド / ゴム / 宗教寄進 |
研究実績の概要 |
今年度はコロナ禍の継続により、事前に予定していた国外(英国・イラン)での調査、研究報告を断念せざるを得なかった。また、大学における授業のオンライン化への対応などに多くの時間を割かれるなど、想定外の事態も生じた。こうした中、まずはこれまでに現地イランで入手した新聞などの定期刊行物や議会関連その他の史料の読解と分析に尽力した。特に20世紀前半期の新聞を中心とした定期刊行物をある程度読み込むことで、ガージャール朝末期からパフラヴィー朝期にかけての聖地・聖廟の整備の過程やその背景、関連する宗教寄進についてこれまで着目されてこなかった情報を多数得ることができた。また、議会関連史料に関しては議事録を中心にある程度読み進めてきた。こうした史料から得られた情報の整理・分析に努め、今後の成果の公表・刊行に向けての準備を鋭意進めてきた。 加えて、研究活動の遂行に必要な現地並びに欧米にて近年刊行された研究書、論考を入手し、その読解をも併せて進めた。特に近年発展を遂げている聖地であるゴムのジャムキャラーンモスクに関しては、最近新たな論考が刊行されており、その内容を精査して先行研究の見直しを図った。さらに、主にマシュハドのレザー廟附設図書館を中心とした現地イランの研究者とは本研究テーマに関する意見交換をインターネット経由で適宜行ってきた。その中で研究の方向性や成果の公刊方法などについての助言を得ることができた。 成果としては、昨年度に刊行した近代黎明期である18世紀のイマーム・レザー廟の運営実態に関する論文の続編を刊行することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度末以降続いているコロナ禍で予定していた史料調査が困難となり、昨年度までに今後の課題とした英国所蔵の外交文書、ならびに現地イラン所在の議会関連の一部の史料の入手の目途が立たない状況になっている。また、オンライン授業等の準備・対応などにも多くの時間を割かれることとなった。こうした状況の中、史料の読解・分析を何とか進め、ある程度の進展は見たものの、昨年度までの遅れを挽回するほど進捗したとは言い難い状態にある。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍が継続している状況にあり、今年度も国外での調査は困難であると考えられる。そのため、とりあえずはこれまでに入手済みの定期刊行物、議会議事録等の史料の読解を引き続き進めていく。その上で、得られた情報を整理・分析して成果の公表をすべく努力していく。また、特に現地イランの研究者との意見交換をさらに密に行って、可能な限りの助力を得られればとも考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度はコロナ禍の影響で、予定していた国外での調査・研究報告が不可能になり、旅費の支出ができなくなったことが挙げられる。2021年度は可能であれば国外(英国、イラン)での史料調査を実施したいと考えている。
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