研究課題/領域番号 |
18K18262
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉山 隆一 東京大学, 東洋文化研究所, 特任研究員 (70788570)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | イラン / 聖地・聖廟 / シーア派 / マシュハド / ゴム / 宗教寄進 |
研究実績の概要 |
2021年度もコロナ禍が継続したため、国外での研究調査などが不可能となり、当初の予定が大幅に狂う形となってしまった。よって、新規の史料の収集に関しては未だ不十分であり、満足のいく状態となっていない。可能な作業から進めるべく。前年に引き続いてこれまでに入手した新聞等の定期刊行物や議会議事録を中心とした史料群の読解作業を行ってきた。 研究対象としたジャムキャラーン・モスクについては、欧米で研究文献が少しずつ刊行されつつ状況にある。前年度に引き続き近年新たに刊行された論考を入手してその内容を検討し、自身の研究の独自性を再確認する作業を行った。史料関連では、定期刊行物に見える同モスクの記事の確認作業について、ある程度は進めることはできた。同モスクの整備・開発をめぐる諸相などについてさらなる情報を集めることができたが、必要な考察を行うにはまだ十分な状況に達していない。また、同モスクの出版部が刊行した書籍等について、関連するものの読解と分析の作業も進めた。 また、マシュハドのイマーム・レザー廟に関しては、主として20世紀以降に刊行された廟の出版物や入手済みの文書史料についての読み込みを進めた。また、現地イランの研究者とメール等の手段を利用して、昨年度に引き続き研究の方向性に関する議論を行い、さらに関連する研究所の出版など、新たな研究情報を入手することができた。なお、同廟関連では、19世紀に作成されたワクフに関する史料群についての解題に主眼を置いた論考を年度末に公刊することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実績の概要の箇所でも記した通り、国外での史料収集が困難な状況が続いているため、研究の進捗に遅延が生じている。前年度に引き続き、入手済み史料の読解と分析に努めたが、成果を公表する段階にはまだ至っていない状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も国外での史料調査が困難な状況が続く可能性もあり、また調査が遂行できたとしても、今年度中に読解をどこまで進められるかは定かではない。現段階で入手を済ませている史料の読解・考察に基づき、何らかの形での研究成果の公表を行いたく考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度に引き続き、国外での史料調査の実施ができなかったため、旅費の支出ができなかったことが要因として挙げられる、今年度可能であれば現地での史料調査を行いたく考えている。史料に関しては、インターネット経由での発注・入手の方法も探っていきたい。
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備考 |
2021年6月にイラン・イスラーム共和国文化イスラーム指導省より第19回国際エマーム・レザー祭レザー文化模範研究者として研究代表者が表彰されたことを紹介する記事。研究代表者によるこれまでの一連のマーム・レザー廟研究が評価の対象となり、表彰されるに至った。
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