| 研究課題/領域番号 |
18K18264
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
佐藤 麻理絵 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教 (80794544)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 中東地域研究 / 難民研究 / 政治学 |
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| 研究実績の概要 |
本年度は主に、これまで収集した一次資料の分析及び文献研究を行い、研究成果を発表した。まず、2020年までに実施したフィールド調査において収集した一次資料について、分析や考察を加えて、難民研究ジャーナル及びイスラーム世界研究に論文を投稿した。いずれも、トルコにおいて2018年に実施したフィールド調査のデータに基づき、トルコに逃れたシリア難民による自国での越境的な人道支援について、それぞれ異なる視角から分析を行った。シリア難民による難民自らの活動は、紛争の継続するシリアにおいて、最も脆弱な人々の命をつなぎとめていた。従事者は、分断状態にあるシリア祖国に対する複雑な思いを語ると同時に、和平プロセスの頓挫などを背景に、今後の活動がどのような性質を備えていくのかは不透明である。シリアの和平プロセスと併せて、彼らの活動の詳細や性質の変化を今後も追うことで、シリア難民自身による活動の詳細を明らかにしていく。また、これが滞日ムスリムによる連携の下で実現していることから、移民研究及び市民社会研究の視座を用いて論じ、移民政策研究へ論文を投稿し、採録が決定している。また、ヨルダンの難民をめぐる事象の中でも、特に彼らの居住に着目し、これまでの予備的なフィールド調査と文献研究を踏まえて国際学会DTIXVにて口頭発表をおこなった。本研究の議論の深化を目指し、今後現地において実施する予定の調査について、調査項目を精査するなどの準備を継続している。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため、現地でのフィールド調査を実施することはできなかった。ただし、これまでの調査結果を考察・分析し、これらの成果発表をおこなうことができた。また、文献研究を通じてより広域な学問領域への理解も深まり、比例して研究課題への理解もさらに深めることができた。以上のことから、研究成果の発信についてはおおむね順調であったものの、調査については計画と比較してやや遅れていると考える。
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| 今後の研究の推進方策 |
2022年度は、文献研究と併せて、コロナ禍次第では現地に赴いてフィールド調査を実施する予定である。滞日ムスリムへの調査についても、状況次第で万全の感染防止対策を実施の上で行う。成果発表については、7月のISTR 15th International Conferenceと9月のThe Migration Conference2022において発表する予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、現地調査の目処が立たず、旅費の使用が発生しなかったため。
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