研究課題/領域番号 |
18K18271
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
戸田 美佳子 上智大学, 総合グローバル学部, 助教 (20722466)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アフリカ / キリスト教 / イスラーム / 障害者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、キリスト教圏であるアフリカ中部熱帯雨林とイスラーム圏であるアフリカ中部・西部サバンナ地域において、障害者のライフコースをとおした宗教史・地域史を再編するとともに、障害者の宗教ネットワークの解明を目指すものである。 本年度はアフリカにおける障害者の宗教史研究の一環として、2019年12月にカメルーンの首都ヤウンデ市と北部マルア市において、イスラーム市民社会における障害者に関する現地調査を実施した。またヤウンデ第Ⅰ大学を訪問し、カメルーンのキリスト教圏とイスラーム圏における宗教史に関する資料収集をおこない、イスラーム圏の政治学を専門とする研究協力者と面談し、カメルーン北部におけるイスラーム市民社会における慈善活動について情報取集をおこなった。 また、これまでの研究成果をまとめ、『新世界の社会福祉―アフリカ/中東』(2020年、旬報社)の「第3章カメルーン共和国―帝国医療から国民統合へ向けた社会サービスへ」と「第4章コンゴ共和国」をはじめ、分担執筆の書籍を3冊、また翻訳本を1冊出版した。特に、「第3章カメルーン共和国―帝国医療から国民統合へ向けた社会サービスへ」(『新世界の社会福祉―アフリカ/中東』旬報社、2020年)では、カメルーンにおける帝国医療の歴史から、現在の国民統合へ向けた社会サービスへと歩みについて、首都ヤウンデに暮らすハンセン病後遺障害をもつ人びとの語りからライフコースを分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年3月から4月に実施予定であった現地調査が、コロナウィルスの影響による海外渡航自粛のため実施できなかったが、分担執筆の書籍を3冊、また翻訳本を1冊を出版して、研究成果の公表に努めた。
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今後の研究の推進方策 |
コロナウィルスの影響による海外渡航自粛のため、現地調査を計画することが困難な状況にある。そのため、研究協力者である、中部アフリカのイスラーム研究の専門家であるカメルーン・マルア大学の講師と連絡を取り合い、現地情報収集および文献調査に当たる。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度の2020年3月に実施予定であった現地調査が、コロナウィルスの影響による海外渡航自粛のため実施できなかったため、2021年2月、3月に実施予定の現地調査の調査期間を増やし、調査旅費として用いる。
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