本研究は、観光政策立案実践人材に必要となる素養、知識、技術内容を把握し、地域人材としての自治体職員に向けた教育プログラムを提案することを目的とした。 初年度においては、国内外における観光人材育成社会人教育の実施状況について調査整理し、環境認証を観光地マネジメントに活用している事例について調査を行った。そのうえで東京都多摩地域の自治体職員を対象として指標設定等に関わるデータ教育プログラムを地域創生スクールとして開発・試行した。次年度は、初年度の成果の一部について論文として取りまとめ発表した。加えて、地域資源マネジメント実践事例に関わるキーパーソンへのインタビュー調査を行い、得られた知見から調査項目を検討した。2020年度は、抽出した観光地域づくりの事例において、当該地域における地域教育を実践的に試行しつつ、観光政策立案実践人材に必要となる素養、知識、技術内容を整理した。COVID-19感染症拡大の影響により当初の研究計画を一部変更し、本研究の期間を延長したうえで、2021年度には抽出した地域における地域資源マネジメント実践人材に対する現地インタビュー調査等を行った。また研究成果の一部について学会大会学術講演会にてオンライン発表を行った。 最終年度においては、地域における適切な施策の企画立案や地域での実践を実現しているとみられることから、初年度に調査を行ったブルーフラッグという環境認証を観光地マネジメントに活用している事例について追調査を行った。これにより自治体や地域の事業者など多主体での官民協働の観光地域づくりを進めるための観光政策立案実践人材に必要となる素養、知識、技術内容についての知見を得た。さらに、この調査分析による成果について、海外の研究者からの依頼を受け、英語論文として執筆、査読付きの図書としての出版が確定している。
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