研究課題/領域番号 |
18K18279
|
研究機関 | 奈良県立大学 |
研究代表者 |
薬師寺 浩之 奈良県立大学, 地域創造学部, 准教授 (70647396)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 観光者行動 / 観光倫理 / 持続可能な観光 / 開発途上国 |
研究実績の概要 |
当初は令和2年(2020年度)が研究最終年度であったが、新型コロナウイルス感染症の拡大による研究計画変更に伴い研究期間の延長が認められたため、令和3年(2021年)度も引き続き研究を継続した。しかし、令和2年度同様、平成31年(2019年)度に行ったタイ・パンガン島での現地調査を完了させ研究のまとめを行うことはできなかった。本来の計画目標は達成することができなかったが、困難な状況下であっても以下の研究を行うことができた: 1.令和2年度に行った先行研究レビューを踏まえた学会発表と論文執筆 令和2年度もコロナ禍の影響でフィールドワークを行うことがができなかったものの、「観光倫理」「責任ある観光」「(責任ある)観光者行動」「ツーリストエンクレーブ」「観光者の異文化理解」「観光の不平等性」「オーバーツーリズム」「東南アジアの観光」などがテーマの近年公開・刊行された英語論文や書籍を中心に収集・講読し、本研究に関連する最新の研究動向を理解した。この文献レビューを踏まえ、令和4年(2022年)2月観光学術学会研究集会(テーマ:観光とエシックス―様々な探究の可能性)において「観光者の問題行動を読み解く」というタイトルで発表を行った。発表内容は加筆修正したうえで、同学会の学会誌に投稿する予定である。 2.観光者に対して適切な観光行動を啓蒙する手法の検討 外国人観光者が問題行動を起こす理由の一つに、観光者の無知(文化的価値観が異なる場所で、どのように振舞えば良いのかを知らない)ことが挙げられる。そこで、観光者に適切な観光行動を促す(啓蒙する)活動が重要になる。研究者の所属大学(奈良県立大学)のゼミ学生と倫理的な観光者行動を啓蒙する手法を考え、ポストコロナのインバウンド需要回復を見込んで奈良市での外国人観光者の倫理的行動を啓蒙する動画を作成し、その有効性を検討した。令和4年度も継続する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
先行研究の整理は進んでいるものの、本来の達成目標である現地調査の完了と研究のまとめができていないことが、遅れている理由である。
|
今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の影響により令和4年(2022年)度まで研究を延長している。しかし、令和4年度中に渡航・調査を実施できる可能性は不透明である。渡航や調査を実行できなかった場合は、2019年度までの調査結果や先行研究などを踏まえて本研究をまとめる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
令和3年(2021年)度は現地調査を実施することができなかったため、旅費支出が無かったことが未使用額発生の理由である。
|