研究課題/領域番号 |
18K18284
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
栗原 剛 東海大学, 観光学部, 講師 (80610344)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 観光施策評価 / 観光施策立案 / 観光政策 / テキストマイニング |
研究実績の概要 |
本研究は、地域の主体的な観光地づくりを支援するため、地域の観光施策の立案と評価に貢献する観光統計データ活用のあり方を提案することを目的とする。 30年度は、全国網羅的に地域の観光施策とその評価方法をデータ活用の観点で把握した。そのため、地域観光組織である全国191のDMOや都道府県・市区町村を対象に、展開している観光施策とその評価方法を尋ねるアンケート調査を実施した。その結果、地域観光組織では情報発信、魅力創出、受け入れ環境整備、体制づくり、イベント・キャンペーンの5つのタイプの観光施策を展開していることが明らかになった。また、それぞれの施策タイプごとにどのようなデータを用いて施策評価を行っているか検証したところ、施策タイプによらず多くが来訪需要(宿泊者数や観光入り込み客数)で評価されていることが明らかになった。このことから、施策は多様に展開されおり、その効果も多様であることが想定されるが、評価指標であるデータには限りがあるため、来訪需要等の断片的な評価しかできていない現状が明らかになった。 他方、観光地における観光施策立案を支援する目的で、観光客のニーズの定量的な評価を試みた。本研究では、富士河口湖町において年に二度継続的に実施している観光実態調査データの自由回答を用いて、観光客のニーズをテキストマイニング分析により把握した。分析の結果、飲食施設の不足や周遊バスのキャパシティ不足等、行政が課題として認識している点とテキストマイニングで示されるニーズが部分的に一致することが確認された。また、外国人旅行者の公共交通料金に対する不満など、ニーズを可視化することで初めて明らかになった点もあることから、本分析は行政が把握していない観光客ならではのニーズを発見することに貢献し得る可能性を示唆したと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分析に用いるアンケート調査データは既に他の共同研究や委託研究事業により実施済みであり、本研究では取得済みのデータを別の角度から分析・検証を加えたことから、スムーズに成果を取りまとめることができたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
31年度は小規模な観光地における観光施策立案・評価で先行していると考えられるフランスとイタリアにおけるヒアリング調査を予定している。調査にあたり、大学構成員の語学教員ネットワークを活用し、現地の方との円滑なコミュニケーションを図ることで予定通り研究を進める計画である。
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