| 研究課題/領域番号 |
18K18288
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| 研究機関 | 名城大学 |
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研究代表者 |
森 龍太 名城大学, 都市情報学部, 助手 (80782177)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | ナンバープレート調査 / 旅行費用法 / 仮想行動法 / レクリエーション価値 / 観光政策 |
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| 研究実績の概要 |
観光地では環境変化が生じた際、付随してそのブランド価値にも影響し、観光地への訪問需要、すなわち当該地点の観光資源としての価値（レクリエーション価値：以下レク価値と記す）への影響が懸念される。したがって運営主体は、レク価値の変化・影響等を事前に把握することが望ましい。レク価値は、例えば旅行費用法に基づく仮想行動法での計測が可能である。この手法にて観光地全体のレクリエーション価値を推計する際には、観光地への都道府県別訪問者数データが必要となる。しかし、関係自治体等作成の既存統計の多くは、訪問者の総数の把握にとどまり、精緻な評価を行うことが難しい状況である。サイト全体の価値推計に大きく影響する、精緻な訪問客数の分布作成手法の検討および提言を実施することは、将来的な環境変化が全国的に予測される今日において、当該自治体等の評価実務担当者にとって極めて有益であり、その社会的意義は大きいものと考える。
よって本研究課題では前述の諸課題の解決するべく、平成30年度においては、以下の事項を遂行した。
まず、評価サイトの選定については、候補箇所の関係自治体および管理団体との打ち合わせを行い、調査協力を依頼した。その結果、評価サイトは「白川郷（岐阜県白川村）」を選定することができた。またナンバープレート調査は、白川郷訪問客が駐車する村営駐車場にて実施できる運びとなった。次に、本研究課題では、訪問者の都道府県別分布の現況再現性を高めるため、四季を考慮した調査の実施を想定している。当該自治体および駐車場管理団体担当者との打ち合わせを通し、適切な調査実施時期について適宜助言を受けることができた。これを踏まえ、具体的な調査実施計画（予定日）を設計した。そして、前述の調査実施計画に基づき、平成30年12月ならびに平成31年2月に、現地にてナンバープレート調査を実施した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
評価サイトの選定については、研究開始後すみやかに着手し、候補箇所の関係自治体および管理団体との打ち合わせを行い、調査協力を依頼した。その結果、6月下旬には、評価サイトである「白川郷（岐阜県白川村）」を選定することができた。よって、当初は、ナンバープレート調査については、同年秋季からの開始を見込んでいた。
しかしながら、その後「平成 30 年7月豪雨」という不測の災害が生じた。岐阜県内においても、生活に大きく影響を及ぼすような甚大な被害が生じていた。白川郷へのアクセスにも用いられる道路（東海北陸自動車道ならびに国道156号線等）や鉄道（JR高山本線）なども一時不通となり、復旧には相当の時間を要する状況にあった。このような状況を鑑み、調査開始時期は一旦白紙とした。
その後、前述の道路に関しては、同年9月下旬に通行止めが解除となり、また鉄道に関しては11月上旬、同月下旬に全線復旧との発表があった。この発表時期に、駐車場管理団体担当者とも打ち合わせを行い、来訪者が復調傾向であるとの報告を受けた。
これらの状況を踏まえ、平成30年12月（冬季）からナンバープレート調査を開始した。その後、平成31年2月にも同様の調査を実施した。すなわち、平成30年度は計2回の調査（分布の取得）を実施したこととなる。
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| 今後の研究の推進方策 |
まず、平成31（令和元）年度においては、平成30年度に引き続き、春季、夏季、秋季にナンバープレート調査（分布の取得）を実施する。平成30年度の調査にて取得したデータを含め、平成31（令和元）年度中に、四季のデータの取得完遂を見込んでいる。次に、関係自治体により計測ならびに公表されている当該サイト全体の訪問者数と、本研究課題のナンバープレート調査により取得したデータを組み合わせ、当該サイトの訪問者の都道府県別分布の作成について、年度内に着手する。その際、季節要因の適用範囲等を考慮し、現況再現性の高い分布が作成できるよう検討を行う。
そして、作成した分布をもとに、旅行費用法(TCM)に基づく仮想行動法(CBM)により、精緻化を図ったレクリエーションサイト全体のレク価値の推計および評価を、最終年度にかけて実施していく。その後、学会発表や論文投稿を通じ、本研究課題で得られた成果の報告を行う。
これらを通じて、TCMに基づくCBMによる評価を行う際に、より精緻なレク価値を評価し得るプロセスについて、広く社会に提言・発信することを目指す。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本研究課題においては、評価サイトにおけるナンバープレート調査の実施を予定している。その際、訪問者の都道府県別分布の現況再現性を高めるため、四季を考慮した調査の実施を想定している。当該自治体および駐車場管理団体担当者との打ち合わせを通し、適切な調査実施時期について適宜助言を受け、調査実施計画（予定日）を設計した結果、研究計画調書にて想定した春季の調査時期が、次年度に移ることとなった（3月下旬から4月上旬へ変更）。加えて、調査実施計画（予定日）を設計時には、同年秋季からの調査開始を想定していた。
しかし、「平成 30 年7月豪雨」という不測の災害が発生し、評価サイトが属す岐阜県内においても、生活に大きく影響を及ぼすような甚大な被害が生じた。評価サイトへのアクセス道路や鉄道等も一時不通となり、復旧には相当の時間を要する状況にあった。このような状況を鑑み、調査開始時期を一旦白紙（延期）とし、同年度の調査は同年冬季から開始することとした。
上記の事情等により、次年度使用額が生じた次第である。
なお、延期した調査については、次年度（平成31（令和元）年度）中に実施を予定しており、この次年度使用額を当該調査にかかる経費として充当する予定である。
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