研究課題/領域番号 |
18K18294
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
須賀 朋子 酪農学園大学, 農食環境学群, 准教授 (50743085)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | DV / 虐待 / 予防教育 / 知的障害 / 発達障害 |
研究実績の概要 |
事前研究として①内閣府のDVの統計調査、②通常学級でのDV予防教育の効果を、英語論文と英文著書にまとめ、発表を行った(研究成果欄参照)。これらを行ったことにより、世界に、日本のDV被害の状況と、日本の通常の高校生、大学生に、DV予防教育を行うことが効果的であることを、世界に発信することができた。 事前研究の結果を把握したうえで、知的・発達障害をもつ若年層向けのDV予防教育プログラム開発のための介入調査を、8月から開始をした。関東、北海道の知的特別支援学校(学級)で勤務をしている教員8名に、インタビュー調査を行った。8名の教員が児童・生徒が虐待を受けて育ったようなことを感じることはあり、共通回答として抽出された事項は【しぐさ】から感じとっていることがわかった。また、児童・生徒の家がDV家庭であることの情報把握は、共通回答として抽出された事項が【児童相談所などの外部機関から情報】で把握ができていることがわかった。【知的・発達障害のある児童・生徒にDV予防教育が必要である】と8名の教員が回答し、理由としては【ネットの情報でAVなどをみて、間違った解釈をして、行動を起こしてしまう生徒がいるため】という共通回答が得られた。DV予防教育プログラムの内容としては、【理論を、わかりやすく丁寧なものがほしい】、【障害の程度によって理解力が異なることを理解したうえで教材を作成してほしい】、【発達段階を考慮してほしい】という事項が共通回答として抽出された。インタビュー調査の結果は、2019年3月に日本教育保健学会学術大会で口頭発表を行った(研究成果欄参照)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画書の通りに、海外のDVの文献研究を行い、自身も海外ジャーナルへの掲載を4編(統計調査研究、高校生へのDV予防教育の効果、大学生へのDV予防効果)することができた。また、高校生への予防教育の介入研究で使用した教材を、英訳し、電子図書として札幌の出版社から発刊することができた(研究成果欄参照)。さらに、特別支援学校の教員へのインタビュー調査も行うことができ、学会発表という形で公表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、実施したインタビュー調査を元にして、知的・発達に障害がある児童・生徒向けのDV予防教育プログラムの教材の作成を行う。現在、北海道内の知的・発達に障害がある高校での介入授業の約束ができているため、秋までには実施し、アンケート調査の分析を行う。また、2019年11月に台湾で、世界女性シェルター大会が実施されるため、そこで、日本のブースを開き、日本で実施したDV予防教育プログラムの内容の紹介を行い、日本のDV予防対策を、世界にアピールする。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に、台湾で開催の世界女性シェルターネット会議で、発表を行います。そのための旅費の必要性を考えて、本年度に残高を残しました。
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