研究課題/領域番号 |
18K18295
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
牧 陽子 上智大学, 外国語学部, 准教授 (50802451)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 保育 / 介護 / 在宅ケア / 外国人ケア労働者 / 女性の就業 |
研究実績の概要 |
2022年度は、日本家族社会学会が行った「全国家族調査(NFRJ18)」のデータを利用した分析を行い、論文を投稿した。日本における将来の介護サービスの需要と関連するテーマである論文「老親介護と子の意向―関係性と規範に着目して」(共著:研究代表者が第一筆者)を9月に投稿し、二度の修正を経て、掲載決定に至った。2023年6月発行の『福祉社会学研究』第20号に掲載予定である。
また2022年3月には、研究代表者が所属する上智大学外国語学部フランス語学科編集による共編著『地域研究のすすめ―フランス語圏編2023』において、『多様化するフランスの家族―「伝統的」家族から再構成・同性親家族まで』という一節を執筆した。
このほか、所属する研究団体「ジェンダー平等推進機構」が2023年3月に行ったシンポジウム「政治分野におけるジェンダー平等をめざして―女性議員 フランスと日本」に参加し、フランスの下院である国民議会の全女性議員215人の属性を調べ、分析した内容を「フランスの女性国会議員たち―全数調査にみる特徴とパリテの現状」として報告した。フォーラムではまた、フランスの政治学者カトリーヌ・アシャン氏の招待講演を提案し、アシャン氏との連絡・調整役を担当した。 また、フォーラムに先立ち同機構が行った日本の全主要政党へのインタビューおよび全女性国会議員調査に参加し、立憲民主党の西村智奈美・代表代行兼ジェンダー平等推進本部長にインタビューを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記「研究実績の概要」で記したように、関連するテーマについて、2022年度は様々な研究活動を行ったが、本研究課題の直接的な内容については、文献を読み、データの解析を進めたことを除き、研究成果として発表することはできなかった。本研究のための時間・エネルギー的に不足したこと、またコロナ禍の影響が残り、現地調査で足りないデータを集めることが困難だったことが原因である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に、研究代表者は1年間の特別研修・在外研究(サバティカル)を取得する。教務・学務の負担から離れ、研究に専念できる環境であるため、本研究課題の最終年度と位置づけ、これまでできていなかった調査・分析および成果発表に努める予定である。 具体的には、2023年6~7月に、国際社会学会(ISA)のメルボルン大会にて、"The Price of Care: A Reflection through Childcare and Elderly Care Work in France"というテーマで、英語による口頭発表を行うほか、10月には日本の社会政策学会・第147回秋季大会において共通論題「ケアする権利・しない権利:脱義務的家族介護を目指して」(仮)に参加予定である。この二つの学会発表においてこれまでの研究成果を交えて報告する。 また、2023年9月からは、サバティカルを利用し、再びフランスに長期滞在する予定である。コロナ禍で中断していた調査やデータの不足部分を補い、研究の集大成につなげたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
上述したように、2022年度は関連するテーマでの研究や発表が多く、本研究課題に直接関する内容については、すでに持っている文献の読み込みや、すでに集めたデータの解析だったため。2023年度はコロナ禍を経て3年ぶりに現地調査を行う予定のため、残額は現地調査で使用する見込みである。
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