研究課題/領域番号 |
18K18296
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
佐伯 英子 法政大学, 人間環境学部, 准教授 (50771705)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 人工妊娠中絶 / リプロダクティブライツ / アイルランド共和国 / アメリカ合衆国 / ジェンダー |
研究実績の概要 |
本研究は、アイルランド(主に共和国)とアメリカ合衆国という、リプロダクティブライツをめぐる政治において近年異なる方向で社会変化を経験したふたつの国に焦点を当て、人工妊娠中絶に関する法制度や世論の変遷を、社会運動を中心に検討するものである。
2022年度までの数年間は新型コロナウィルス感染拡大の影響により、渡航が困難であったため現地調査ができない状況であったが、2023年度はアイルランド共和国(ダブリン)とアメリカ合衆国(ロサンゼルス)においてアーカイブ調査を実施することができた。特にアイルランド共和国に関しては、中絶が合法化された2018年の国民投票に向けた市民団体の資料に加え、胎児の生存権が憲法に記されることになる1983年の国民投票までの反対派、賛成派双方の資料に関しても調査ができた。
研究の結果に関しては、アイルランドにおける中絶権の歴史については論文としてまとめ、発表した。また、リプロダクティブライツや中絶に関するイベント等に登壇し、社会運動における当事者の経験の語りについての研究を発表した。他の研究者と共にアイルランド共和国や北アイルランドにおける中絶に関する研究会を結成し、発表や議論を重ねることができたことも2023年度の進展であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
渡航が可能になったことから、データ収集で大きな進展があった。また、これまでのインタビュー調査やアーカイブ調査からのデータ分析やアウトプットについても概ね順調に進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、新聞・雑誌記事やSNSへの投稿の収集、コーディング、テキスト分析を行う。加えて、2023年度に実施したアーカイブ資料(社会運動関連の資料)の分析を継続する。研究結果については学会発表と学術誌での発表と、編著としての書籍の出版を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
2024年度中に出版される、研究において重要となる書籍の購入に充てる予定である。
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