研究課題/領域番号 |
18K18304
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研究機関 | 公益財団法人高輝度光科学研究センター |
研究代表者 |
松葉 俊哉 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 光源基盤部門, 研究員 (00635477)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | Strucutured Light |
研究実績の概要 |
本研究はポアンカレビームと呼ばれる、その2次元平面内に全偏光状態を持つ光を放射光のテクノロジーを使って実現しようというものである。本年度はUV領域の放射光で2次元的な偏光の分布を測定、解析するための方法を検討しシミュレーションによってその手法の妥当性を確認した。 この方法では1/4波長板と直線偏光子を組み合わせて円偏光の強度を測定し、直線偏光子によって直線偏光の強度を測定し、そのストークスパラメータを決定する。ストークスパラメータによって偏光の状態は決定されているのではあるが、そのままでは楕円の形状や回転方向、円偏光度、直線偏光度といったパラメータが分かりづらい。そのため次にストークスパラメータから光の直線偏光度、円偏光度、楕円形状などを解析する手法を検討し、それをシミュレーションによって得た直線偏光アンジュレータや円偏光アンジュレータの一次光といった偏光状態のよくわかっている光のストークスパラメータに適用した。その結果、水平偏光、円偏光ともに想定される形状の楕円と、直線偏光度、円偏光度が得られた。この手法を2次元的なアンジュレータ放射の分布に適用してやることでその偏光状態分布を分かりやすい形で得ることができる。 次に水平、垂直偏光アンジュレータの2次光同士や右と左の円偏光アンジュレータの2次光と1次光、2次光と2次光といった光の重ね合わせを使って、2次元的な偏光状態分布を得た。特に右、左に円偏光2次光同士の重ね合わせ光は以前の方法で求めた偏光の向きと直線偏光度が新しく求めたものと一致することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度は研究室の准教授がいなくなり、研究室に助教一人となったことで、運営の仕事や講義といった様々な雑用に追われた。また、自身の就職活動などもする必要があったため十分な時間を割くことができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は転職したことによって環境が大きく変わり、科研費の研究に割ける時間がどの程度あるか不明である。また光学系の試験等を行う場所もなく、計画を変更して対応する
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は研究室の准教授がいなくなり、研究室に助教一人となったことで、運営の仕事や講義といった様々な雑用に追われた。また、自身の就職活動などもする必要があったため十分な時間を科研費研究に割くことができなかった。 今年度は転職したことによって環境が大きく変わり、仕事の量が増え、内容も変わってしまったため、科研費の研究に割ける時間がどの程度あるか不明である。また光学系の試験等を行う場所もなく、これらの計画を実施するのは困難であるため、レーザーやカメラといった物品を購入するかについては再検討が必要である。いくらかの光学素子やパソコン等の物品を購入して可能な範囲で研究を実施する予定である。
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