研究課題/領域番号 |
18K18306
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
守屋 克洋 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究職 (70805324)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ビームモニタ / 非破壊 / ビームプロファイル / 加速器 / 大強度ビーム / 量子ビーム |
研究実績の概要 |
ワイヤにビームを当てて、破壊的にビームを測定する手法があるが、大強度ビームかつ低速エネルギーの場合、ワイヤが破断し、ビーム測定ができない。そこで、大強度ビームの縦方向測定に向けた非破壊型ビームモニタの開発に向け、これまで使用されてきたワイヤの代わりに電極を検討している。従来の方法では、ワイヤにビームを当て、ワイヤから生成された電子を検出していたが、電極を用いた方法では、残留ガス由来の電子を検出する。よって、実験装置の検出電子数は装置内の残留ガス量に依存する。一方、電極には高電圧を印加するため、放電を避けるためには真空圧力を低くしておきたい。1年目に製作した機器ではガスの導入を想定していたが、周辺の真空圧力も高くするため、放電が生じやすい。そこで、新たにガスノズルの導入を検討した。ガスノズルは導入ガスの方向を揃える機器である。また、ガスノズルの対向部に排気系を設置することで、局所的に高い真空圧力を実現しながら、放電の生じにくい環境を原理的に実現できることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和元年5月から同年7月に研究代表者の体調不良により、当初の計画通りに研究が進まなかったため、やや遅れが生じている。年度初めに体調を崩し、予定していた期日までに、前年度製作した電極を用いた電圧印加試験、及び、それを踏まえた電極の修正を完了できなかった。そのため、製作が進まず、実験をできていない。一方、シミュレーション等の多角的な検討をする時間を確保できたため、計画として大きな遅れには至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
前年度製作した電極の試験を行う。電極に20kVの電圧を印加しながらガスを導入するため、放電が生じないか確認する。その結果を踏まえ、ガス導入時でも放電を生じにくい電極構造及びガス導入方法を検討し、局所化したガス導入部付き電極の製作を行う。 また、本研究において、電子生成量が重要となるため、従来の測定方法であるワイヤ由来の電子生成量と、残留ガス由来の電子生成量を比較する。ワイヤ由来の電子生成量を増やすことはできないが、本研究ではガスを導入するため、残留ガス由来の電子生成量を増やすことができる。導入ガスの圧力と電子生成量の相関を調べることで、測定に必要な導入ガスの圧力を求める。一方、研究代表者は自身の所属するJ-PARCで試験を行うため、負水素イオンビームを用いる。ガス導入時の圧力が高すぎると、負水素から電子を剥ぎ取り、破壊測定となる。よって、J-PARCのような負水素イオンの場合、導入ガスの圧力には上限があるため、電流モニタ等の周辺機器を用いて、非破壊測定が可能な導入ガスの圧力範囲を調べる。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和元年5月から同年7月に研究代表者の体調不良により、当初予定していたガス導入バルブ付き電極の製作に至らなかったため次年度使用額が生じた。令和2年度に予定している2次電子増倍管の購入と合わせて電極の製作に充てる予定である。
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