研究課題/領域番号 |
18K18317
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
齋藤 美絵子 岡山県立大学, デザイン学部, 准教授 (30326417)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 水害リスク / リスクコミュニケーション / 相互理解 / データビジュアライゼーション |
研究実績の概要 |
地域住民が各自で認識している水害リスクをインフォグラフィックスとして可視化し、それを共有することで地域住民の相互理解を助ける「地域住民のための水害リスクコミュニケーション・サイト」を開発するため、以下の調査を行った。災害時の避難における判断や行動には、各人の運動能力に対する自己評価や認識の差、性格などが影響していると考え、その可能性について調査した。特に、歩行に要する時間についての認識誤差の要因は、筋力やバランス能力といった運動能力の認識誤差や過去の運動経験や運動への自信、転倒経験、性格などがあると考え、歩行における時間的認識誤差へ影響する要因について検討した。その結果、歩行動作と関係がある身体能力を複数確認することができ、それらの能力の認識誤差は、歩行における時間的認識誤差に影響を与える可能性があると示唆された。また、個人によって異なる災害リスクを相互に理解するためのインフォグラフィックスデザインにおいて、収集したデータを可視化する際に、データを俯瞰して見ることができる「客観的表現」に加えて、自身や他者といった個人の目線で見ることができる「主観的表現」が有効であると考え、データビジュアライゼーションの際の画面デザインに映像の要素を活用することを検討している。具体的には、カメラワークやアングルといった動的な要素の活用である。映像分野では、特定の人物の主観を活用することで感情移入を促すことができるという知見を活用するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
モデル地域としている総社市は平成30年7月豪雨災害の被災者が多数いることから、地域住民を対象とした水害リスクに関する調査を慎重に行う必要がありデータ収集に時間を要していることと、インフォグラフィックスデザインへ反映できていない部分があることから、予定よりもやや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
地域住民を対象としたリスク認識調査結果を順次インフォグラフィックスへ反映し、リスクコミュニケーションサイトの実装へ移る。評価のための被験者実験についてはオンラインを活用することも視野に入れ評価方法を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
外部委託を想定していた実験用ソフトウエアを研究室内で作成することで不要となったことや、リスクコミュニケーションサイトの実装に着手できなかったため残額が生じた。
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