研究課題/領域番号 |
18K18318
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
加藤 健郎 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (70580091)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | スケッチ / NIRS / デザイン思考 |
研究実績の概要 |
本研究は,デザイン思考における代表的なデザイン展開方法の1つであるスケッチに着目し,スケッチによるデザイン展開時の脳活動を測定することにより,デザイン思考の定量的評価法を構築することを目的としている. 2018年度の研究では,デザイン思考の枠組みの構築とスケッチに関する研究・実務の調査と脳活動測定予備実験を行った.デザイン思考の枠組みの構築においては,デザイン研究が開始されたとされる1960年代のメサロビッチの思考モデルやマーチの思考モデルなどから,近年の松岡によるAGE思考モデルなどを調査することで,分析・発想・評価をヒューリスティックに繰り返すという共通の特徴を抽出した.一方,スケッチに関する研究・実務の調査においては,スケッチによるデザイン展開を分類したGoelの研究に注目し,デザイン展開を,①新規発想(New generation),②再解釈(Reinterpretation),③水平展開(Lateral transformation),④垂直展開(Vertical transformation)の4つに分類する視点を得た.さらに,脳活動測定の予備実験においては,12名の被験者がスケッチによるデザイン展開を実施している際の脳活動計測を行い,計測上の課題を確認した.これらに関する成果は,原著論文1件,国内会議発表1件にて報告され,来年度に国際会議発表1件,国内会議発表1件にも報告予定である. 以上のように本研究は,研究実施計画に基づいて順調に実施されている.今後も,引き続き研究を進めていくとともに,その成果発信を推進していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」で述べたように,本研究は,2018年度までの研究実施計画の目標を達成している.今後も引き続き,研究および成果発信を推進していく予定である.
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今後の研究の推進方策 |
本研究は,研究実施計画に基づき順調に遂行されている.最終年度の2019年度の研究では,脳血流計測とその解析に多くの時間を要すると考えられる.このため,人件費を利用しながら効率化を図ることで,研究を活性化していく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度の使用額が減額された理由として,①国際会議の参加費が(前年度引き落としであったため)計上できなかったこと,②国内会議の参加費が(年度末開催のため)計上できなかったこと,③(経費削減のため)実験・解析補助のアルバイトを雇わなかったこと,④(経費削減のため)被験者の所属先と実験場所を統一できたことなどが挙げられる.本費用は2019年度における研究成果の発信(学会発表や論文投稿)の費用として計上する予定である.
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