近年,製品開発の目的は,多機能化・高性能化からユーザの新たな価値や経験の創出へとシフトしており,デザイナや設計者の問題解決や思考のプロセス(デザイン思考)が注目されている.しかし,「デザイン思考」に関する多くの取組みは,実務・教育経験者や被験者のアンケートなどにより主観的に評価されており,客観的な評価方法が求められている.本研究は,近赤外線分光法を用いた脳活動計測により,デザインにおける代表的な表示技法であるスケッチを用いたデザイン展開の種類を,脳活動により分類する可能性を示唆したものであり,今後のデザイン学分野の発展に寄与するものと考えられる.
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