研究課題/領域番号 |
18K18321
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
加島 智子 近畿大学, 工学部, 講師 (30581219)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 情報デザイン / インタフェース / 農業情報システム / 使いやすさ |
研究実績の概要 |
生産者の経験と勘によるノウハウの蓄積,農作物の価値の向上を目指し,これまでに生産者,消費者,直売所を繋ぐモデルを作り,コミュニケーションツールとしての情報システムの構築をおこなってきた.しかし,農業就業者の6割以上が高齢者ということもあり,IT機器を活用する意識が低い.昨年度まで行なった道の駅における実証実験においても利用率を上げることが課題となった.そこで,本年度では生産者と消費者を繋ぐ新しい情報の形のデザインを行った.更に,農業分野にITを積極的に導入できるよう高齢者が直感的に操作でき,継続的な利用が可能なインタフェースデザインの設計を行った.それらの実証実験を東広島市の農作物直売所にて有効性を確かめる実験を行った.高齢生産者が長く継続可能となり,新規生産者が持続可能となるための情報・動機付けとなるために現在の案における不足点など新たな課題を明らかにすることができた.また,使いやすいインタフェースデザインにおける分析手法の提案を行うことができた.本システムの商標登録も行い今後の研究を遂行できる準備も整えた.更に,海外での実験実施にも向けて視察も行った.今後の活動計画としては今年度の実験における課題を修正して新たな生産者と消費者を繋ぐ形の設計,高齢者に特化した認知的なUIの定義,機械学習の実装に向けてシステムの開発を行う.さらに,これらの研究成果を国内・国際会議にて発表を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基本的な研究実施は計画通りに行われている.しかし,7月の豪雨災害の影響により実証実験の実験店舗が浸水被害に合うなど大幅に延期をし,更に実験期間の短縮を行った.これによりデータの分析などにやや遅れが生じている.しかし,来年度の計画に大きな影響は与えないと考えられる範囲であると考える.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究として、これまでの研究成果を国内,国際会議で成果報告の行い有識者からの助言をいただく.また,生産者と消費者をつなぐ新しい形の設計を前年度の反省を生かして行う予定である.企業の方などのアドバイスもいただきながら継続的に実現可能なデザインを行う.また,機械学習の実装を行うためのデータ収集やデータの分類,不足データなど確認を行い,実装の実現に向けて進める.前年度の収集データの数理モデルの定式化,評価基準の数値化なども合わせて行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度,実証実験を7月に実施予定で計画をしていた.しかし,豪雨災害により実施計画を変更せざるを得ない状況となった.よって,実施計画を遅らせかつ実施期間を短縮しての実施となった.これらの影響により次年度の実施額が変更となった.次年度,実施期間を長く実証実験を行い,データ収集を実施し,研究の有用性を明らかにする分析を行う予定である.
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