研究課題
本研究は、日々増え続けているマンガをディジタル環境、とりわけWeb上で効率的に蓄積し、探索や利用が容易しやすいように提供するという課題に対して、マンガのコンテンツ画像とその構成要素に関するメタデータを組み合わせてWeb上で提供するための枠組みを提案するものである。具体的には、下記の4つの機能を開発し、マンガの部分構成要素単位でのコンテンツの表示や検索のためのシステムの構築を進めた。1) マンガの個々の構成要素にWeb上でアクセスするための識別子(URI)を与え、それらに対応するコンテンツの部分画像を提供する機能 2)単一の画像ではなく、作品や書籍などのパッケージ化された単位でコンテンツを提供し、それらを構成する画像と画像内のマンガ構成要素に関する情報を同時に表示する機能(ビューワ機能) 3) マンガコンテンツ内の表現の構造や物語の内容を対象として、マンガの構成要素をクエリとして用いた検索機能 4) マンガの内容や関連情報が記述された外部のLODデータセットとマンガをメタデータで紐付け、表示や外部データセットを用いたコンテンツ検索機能本年度はこのシステムをより効果的に利用するために必要なメタデータとその作成技術の開発を進めた。第一に、パッケージ単位で管理された画像群について、ユーザの探索要求に即した形で提供するためにはそれらを著作単位で関連づけるメタデータを整備する必要が生じた。そこでそれらを既存のWeb上のリソースからLinked Open Data技術を用い半機械的に生成する技術の開発を行った。第二に、マンガコンテンツ内の表現の構造や物語の内容のメタデータのうち特にマンガの内容の解釈を必要として機械的な手法では生成することが困難なものを、マイクロタスククラウドソーシングを用いて効率的に作成する技術の開発を行った。
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Digital Libraries at the Crossroads of Digital Information for the Future. ICADL 2019. Lecture Notes in Computer Science
巻: 11853 ページ: 95~101
10.1007/978-3-030-34058-2_10