本研究は漢字を中心にした日本と中国の拓本を時空間データベースにし、潜在的知識を抽出し、歴史の整理、経済の推移、気候の変動などの研究に貢献する。 本研究では、最終目標とした拓本の時空間データベースを完成し、キーワードの検索機能とその可視化機能を実現した。詳細について、大きく、文字認識分野への貢献と知識発見となる。 【文字認識について】 (1)深層学習を用いた拓本文字の認識を実現した。(2)深層学習とビックデータ解析技術を組み合わせることにより、更なる高精度な拓本文字認識を実現した。それにより、欠損した文字に対して、深層学習が対応できない問題の対応を実現した。 【知識発見について】 (1)拓本の時空間データベースの作成を実現した。また、キーワードを用いて、データベースの検索機能を実現できた。(2)さらに、時空間データベース上のキーワードの検索結果を、地図上での自動可視化を実現できた。また、時間を選択することにより、キーワードの時間軸での変化を可視化できた。場所を選択することにより、キーワードの空間上での変化を可視化できた。その上、天気、災害、経済などの多くの分野のキーワードを用いた検索を達成できた。それにより、拓本データベースの知識の整理と新しい知識の発見に繋がると考える。(3)これらの基本機能をAPIとして、サーバー上で実現し、応用までできた。今後、APIを一般公開し、いろいろな分野の研究に貢献することを挑んていく。
|