研究成果の概要 |
主に3つの成果を得ることができた. 第一に, 直線メイズ上でのアリのラーニング・ウォーク時に, 目印の提示の有無による普遍的歩行ノイズの出現について検証した. 第二に, トレッドミル装置を用いたアリの長時間歩行解析を行い, 見かけ上の歩行多様性と, その先の普遍的揺らぎの特性について時系列解析を行った. 両論文とも比較生理学の専門誌であるJournal of Comparative Physiology Aに掲載済みである. 第三に, 蟻道に合流した個体が逆流することで, 安定的な目的地到達を行っていることを検証した. こちらはScientific Reports誌に掲載済みである.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アリの空間認識は環境との兼ね合いで変化しうる.本テーマでは歩行解析に焦点を当て, アリ自身が知覚される世界に対して積極的に関わり得る際にみせる, 特有の歩行ノイズの出現可能性について, 実験的に検証した. 従来より, アリが他の情報との兼ね合いで, フェロモンへの依存度も変化させる可能性は示唆されていた.今回, 他個体との接触がフェロモン上での進むべき方向をアリに与えることが明らかとなった.
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