本研究課題の目的は,数値計算を用いてヒト腸内における栄養素の撹拌および吸収と小腸壁の運動の関係を明らかにすることである.管壁にぜん動運動および分節運動を模擬した運動を強制変位として与えることで小腸内の流れを再現した. 数値計算により,レイノルズ数や狭窄率などのパラメータと栄養素の撹拌および吸収の関係を評価した.これにより,小腸運動による撹拌及び吸収には最適なパラメータが存在することが明らかになり,この範囲が生理学的な条件下に入っていることが明らかになった.したがって,生体内では効率よく栄養素を撹拌・吸収している可能性が示唆される.
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