研究課題
本研究では数値流体力学解析(CFD)により血管壁にかかる血流ストレス分布を算出し、磁気共鳴画像(MRI)より得られる炎症反応(増強効果範囲)分布と照らし合わせることで、血流が壁面の生化学的反応に与える影響を解明することを目的とする。本年度は特にディープラーニング技術の適用を進め、CFDを用いて行われてきた血流解析をディープラーニング代替モデルで算出する技術の開発を行った。胸部CTより冠動脈・大動脈の抽出を行い、血管形状の統計データに基づき、形状STLファイルを基にデータ拡張を行った。その後、1100例の血管形状に対してCFD解析を行い、CFD解析結果を学習データとしたディープラーニングネットワークを構築した。その結果、速度、圧力分布ともにCFDからの誤差(平均相対誤差、正規化平均絶対誤差)が10%以内で算出が可能となった。速度、圧力を算出するために必要な計算時間はCFD10分に対し、本技術で1秒と、劇的に短縮した。本結果はCommunication Biologyに掲載され、国際学会でも発表を行っている。本報告を基にした東北大学のプレスリリースから、企業から依頼され特別講演を行っている。また、6月に国内学会における口頭発表、および国際シンポジウムの招待講演を予定している。また本研究に関して、日経産業新聞で紹介された(2021/3/8)。当該論文ではまず心、大動脈周りの血流解析を行ったが、本技術はどの血管に対しても適応可能であるため、今後、脳動脈への適応を行う。
日経産業新聞掲載(2021/3/8)東北大学プレスリリース(https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2021/02/press20210209-02-deep.html)
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Communications Biology
巻: 4 ページ: 1~12
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http://www.ifs.tohoku.ac.jp/bfc/