本研究では,膵島の炎症によって起こる膵β細胞の細胞死と免疫細胞の膵島への浸潤をin vitroで再現する培養系の開発を行った.まず,マイクロウェルを底面に持つプレート上で各種膵島構成細胞用いて膵島様凝集体を形成した後,IL-1βやIFN-γ刺激により炎症を惹起し,マクロファージと共培養を行った.膵β細胞のIL-1β刺激によりCCL2やCCL3といった炎症性の因子の産生能が増加し,マクロファージとの共培養によりアポトーシス,細胞死が顕著にみられた.すらわち,マクロファージからのIL-1β刺激による膵β細胞障害を再現できる可能性が示唆された.
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