同種免疫性の血小板輸血不応症を発症する患者では、HLA/HPAが適合するドナーの確保が必要であるが、稀な型の場合や緊急時は供給不足が危惧される。解決策として、申請者らは、iPS細胞から分化誘導した血小板前駆細胞、巨核球を細胞株化し、産業化可能な血小板製造法を確立したが、安定増殖株の樹立効率が低いことが課題となっていた。本研究で明らかとなった巨核球細胞株自己複製抑制機構を解除する方法を新規ベクターシステムに新たに組み込むことで、個性の異なる複数のiPS細胞クローン由来不死化巨核球の作製効率を飛躍的に改善することができるため、HLA/HPA一致血小板製剤供給源の問題点を解決する可能性が提示できた。
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