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2019 年度 実施状況報告書

ヒト嚥下関連脳律動解析と嚥下時脳信号解読

研究課題

研究課題/領域番号 18K18366
研究機関大阪大学

研究代表者

橋本 洋章  大阪大学, 国際医工情報センター, 招へい研究員 (50770674)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード嚥下時脳活動 / High γ 活動 / 転移学習 / 深層学習 / AlexNet / 頭蓋内電極 / Phase amplitude coupling
研究実績の概要

ヒト嚥下関連脳律動解析のため、てんかん患者のうち手術のため一時的に頭蓋内電極を留置した患者を対象に嚥下課題を行い、頭蓋内電極のデータを計測した。これまでのところ約10名程度の嚥下時脳活動を計測することができた。
嚥下時脳活動解析を行うためのプログラムをMatlabベースで作成し、解析を行ったところ、嚥下時には高周波脳活動であるHigh γ帯域の活動がシルビウス裂に沿った脳領域で一時的に上昇することが確認された。同High γ活動は嚥下時実行後よりも嚥下実行前に強くなる傾向があった。またHigh γ活動が上昇する前に低周波帯域とのカップリング現象が出現していることがわかり、より詳しい解析を今後行なっていく予定である。
嚥下に関連したHigh γ活動がシルビウス裂に沿って出現することが分かり、この活動を用いて嚥下時脳活動の解読が実現できるかどうかをAlexnetの転移学習を用いて確認した。脳波データをイメージデータに変換し、そのイメージデータをトレーニングデータとして転移学習を行った。その結果、High γ活動を用いて転移学習を行った場合に75%の解読精度を得ることができ、他の低周波帯域を用いた場合よりも優位に精度が改善することが確認された。
嚥下時脳機能解析の結果、嚥下に関連しHigh γ活動が出現することを明らかにし、そのHigh γ活動を用いることで嚥下時脳活動の解読精度が改善することが確認された。今回の結果は今後の嚥下機能を再建するブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)の実現のためには必要不可欠な情報であり、科学的に意義深い。今後は解析を進め、結果をまとめ、論文として発表していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

嚥下時脳活動を予定通り計測することができた。また、嚥下関連脳活動がある程度解明でき、それを用いて嚥下時脳活動の解読も実行可能であることが確認できた。現在はその内容についてより詳しい解析を実行している最中である。

今後の研究の推進方策

嚥下時脳活動のより詳しい解析を行い論文化する。その結果をもとに嚥下時脳活動の解読についての研究を進め、こちらについても論文化していく。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 頭蓋内電極留置術イラスト作成の工夫2020

    • 著者名/発表者名
      橋本洋章、山本祥太、クー・ウイミン、谷直樹、藤田祐也、栁澤琢史、押野悟、平田雅之、貴島晴彦
    • 雑誌名

      脳神経外科ジャーナル

      巻: 29 ページ: 216~220

    • DOI

      10.7887/jcns.29.216

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 頭蓋内脳波を用いた嚥下時脳機能の可視化:嚥下BMIへの応用を目指して2019

    • 著者名/発表者名
      橋本 洋章、平田 雅之、吉田 史章、亀田 成司、栁澤 琢史、押野 悟、吉峰 俊樹、貴島 晴彦
    • 雑誌名

      CI研究

      巻: 40 ページ: 127~133

    • 査読あり
  • [学会発表] DC(直流)電位変動と高周波振動(HFO)を用いた脳腫瘍関連てんかんの解析2019

    • 著者名/発表者名
      橋本 洋章、平田 雅之、中川 智義、KHOO HUI MING、谷 直樹、栁澤 琢史、山本 祥太、押野 悟、貴島 晴彦
    • 学会等名
      第77回 日本脳神経外科学会近畿支部学術集会
  • [学会発表] Swallowing-related neural oscillatory changes revealed by human electrocorticograms (ECoGs)2019

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki Hashimoto
    • 学会等名
      The 12th International Symposium of MEI Center
    • 招待講演
  • [学会発表] 手術イラスト作成の工夫2019

    • 著者名/発表者名
      橋本 洋章、山本 祥太、藤田 祐也、KHOO HUI MING、柳澤 琢史、木嶋 教行、大西 諭一郎、 谷 直樹、木下 学、押野 悟、平田 雅之、貴島 晴彦
    • 学会等名
      第78回日本脳神経外科学会近畿支部学術集会
  • [学会発表] Phase amplitude couplingにより明らかにされる 皮質内嚥下ネットワーク (シンポジウム)2019

    • 著者名/発表者名
      橋本 洋章, 平田 雅之, 亀田 成司, 吉田 史章, 吉峰 俊樹, 押野 悟, 谷 直樹 , KHOO HUI MING, 柳澤 琢史, 田中 將貴, 山本 祥太, 藤田 祐也, 貴島 晴彦
    • 学会等名
      日本脳神経外科学会第78回学術総会
  • [学会発表] 頭蓋内脳波、高周波脳律動、DC電位変動同期システム を用いたてんかん解析2019

    • 著者名/発表者名
      橋本 洋章, 平田 雅之, 押野 悟, 谷 直樹, クー ウィミン, 栁澤 琢史, 山本 祥太, 藤田 祐也, 貴島 晴彦
    • 学会等名
      第53回日本てんかん学会学術集会
  • [図書] ここが知りたい定位脳手術・電気刺激療法Q&A2019

    • 著者名/発表者名
      上利 崇, 岡崎三保子,亀田雅博,貴島晴彦,金 一徹, 桑原 研, 近藤聡彦,齋藤洋一,佐々木達也,佐々田 晋,新光阿以子, 田尻直輝, 伊達 勲,橋本洋章,平田雅之,平松匡文, 細本 翔, 守本 純, 安原隆雄,若森孝彰
    • 総ページ数
      260
    • 出版者
      中外医学社

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公開日: 2021-01-27  

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