研究課題/領域番号 |
18K18371
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
糸魚川 善昭 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30771810)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 筋肉 / エラストグラフィ / 腱 / 肩関節 / 超音波 / MRI |
研究実績の概要 |
昨年度は4つの腱板構成筋のうち棘下筋、棘上筋の2つの筋に対してMREで弾性を計測する事に成功したため、今年度は新しく4つ全ての筋に弾性波を発生させる振動子を開発し検討を行った。しかし、棘上筋・棘下筋の弾性波の描出は良好であったのに対し、肩甲下筋の弾性の測定は困難であったが、空気圧式加振装置の出力を変えたところ全ての筋に弾性波の描出は良好であり、それぞれの筋の弾性を一度の測定で計測可能であった。来年度はNを増やして健常者、ならびに疾患のある患者に対して施行する予定である。 また、昨年度ブタを用いて実験を行った、「動物筋腱損傷モデルにおけるMREシステムの評価」に関しては国際肩肘学会、第34回日本整形外科学会基礎学術集会、第46回日本肩関節学会で発表し、現在Journal of shoulder and elbow surgeryに投稿中である。 加えて、来年度腱板断裂患者の硬さの変化に対してMRE計測を行うため、その予備実験として、超音波で組織の硬さを計測出来る剪断波エラストグラフィ(SWE)を用いて60名の腱板修復術後の棘上筋の硬さの変化を調べた。結果は棘上筋の硬さは術後変化し、さらに術後1カ月おいて再断裂ない患者に比べ再断裂していた患者ではSWE値が有意に高くなっており、SWEが腱板修復術術後成績予測に役に立つ可能性が示された。この結果はItoigawa Y, et al. Supraspinatus Muscle and Tendon Stiffness Changes after Arthroscopic Rotator Cuff Repair: A Shear Wave Elastography Assessment. J Orthop Res. 2020 Jan;38(1):219-227に掲載された。今後はMREを用いて計測しSWEの値と比較検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響で、現在大学内の新たな倫理委員会の開催の中止、さらに被検者の外出制限やMRE実験自体も中止されているため、申請や実験自体全くできない状況になっているため。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト患者を使ったMRE実験の倫理委員会の申請、許可がおり、そして新型コロナウイルスでの混乱が落ち着いてから実験を開始する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度に220万円以上の高額な3次元動作解析の機器を購入予定であったが、2020年夏にバージョンアップされた同額の機器が販売予定で、かつ実際の使用は2020年夏で十分である事が見込まれたため、2019年度は購入せず、2020年度に購入予定とした。その分の差額である。2020年6月から8月頃に3次元動作解析を購入し、未使用分も使用予定である。
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